第八話 雄々しき保護団員、フィーア
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
悪魔と呼ばれようと家族を守る。そして探し出す。…その上で…お前らのような奴からポケモンを解放して見せる!!」
その声が辺りに響き渡る。
フィーアの覚悟の叫びだ。
「セルケト様…。これ以上の手の内晒しは…。」
「ああ、わかっている。私も少し熱くなりすぎた。」
グオングオンという音ともにヘリがやってきた。
そのヘリからプシューというガスが流れた。
「うっ…なんだ。」
「ケホッケホッ。」
目にも沁み、二人は目を瞑って口を覆った。
ガブリアスとフワライドもガスに苦しんでいた。
これはポケモンによるガスではない。人工的なガスだ。
グオングオンというヘリの音が収まる。
「くっ…大丈夫か、ツヴァイ。」
「うん…。」
意識が朦朧としてきて自分が何を言っているかわからなかった。
「おいっ、ツヴァイ!大丈夫か、しっかりしろ!」
兄の声さえ遠くなっていき、意識がふわふわとしていく。
何も考えられずあっという間に視界が真っ暗になってしまった。
「んっ…ん…。」
目が覚めると暗い部屋のベットで寝ていた。
横の方を見ると隣でドライが眠っていた。
イスに座ったまま…寝落ちしてしまったらしい。
「兄さんッ!?」
その声でピクリと動き目を覚ました。
「あっ、ツヴァイ…?良かった、目を覚ましてくれて…。」
「兄さん…あの、どうして…ここに?」
「フィーア兄さんがコトブキ病院に運んだんだよ。謎の黒服の男達と戦って、怪我したんだよ。」
ここでやっと頭の整理がついた。
「兄さんは…フィーア兄さんはどこに!?」
「…多分、兄様に怒られて…廊下にいるんじゃないのかな。」
「そんな、兄さんは…僕を…。」
助けようとしてくれたのに。
フィーアを探そうと起き上がろうとすると背中に激痛が走った。
「ううっ…。」
「無茶しないで。」
ドライが肩を掴んで寝かせた。
その時、ふと時計が目に入った。
夜中の一時だ。さすがにフィーアも寝ているだろう。
「わかってるよ、ツヴァイを助けに行ったことくらい。僕にネンドールを貸してほしいっていうから気になってたけど…。多分、コトブキでは事件が多いから心配したんだろうね…。だったら、一緒に行動すれば良かったのにね。」
「そんなこと言わないでよ…フィーア兄さんは…。」
「そういえば、ポケモン達は回復してるから安心して。」
「あっ…。」
ずっとフィーアのことを引きずっているようなので話を逸らした。
すると途端にツヴァイは暗い顔になった。
あんな負け方は今思い出すだけでも胸が締め付けられ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ