GGO編
眼鏡の少女
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雪羅は買い物を中断し、少女が連れられた路地の手前まで来る。すると聞こえてきたのはお金を貸してほしいというものだった。
しかし、雪羅はこんな人気のないところで金銭を借りるという状況に違和感があった。
『なるほど、カツアゲか・・・』
少女は断るが三人のリーダーのような女子高生が突っかかる。
その状況に雪羅は痺れを切らした。
『しょうがない、やるか』
雪羅は路地に入ると少女を取り囲む女子高生に声をかける。
「なぁ、何やってるだ?」
「ぁあ?」
「誰だあんた?」
「誰だっていいだろ?それとも、見られたら何か不味いことでもしてたのか?」
雪羅は三人を挑発する。この辺りの駆け引きはSAOを通じて慣れている。案の定、彼女たちはのってきた。
「テメェ、なめてんのか?」
「感情的だな、図星か?まぁいい、見逃してほしければ選べ、“このまま去るか”、“口封じに俺をいたぶるか”」
「このッ!」
三人のうち一人が雪羅に向かって殴りかかる。しかし雪羅は冷静だった。
「いたぶるか、いいだろう。ただし・・・」
雪羅はそう言うと車椅子を動かし拳をかわす。更にかわす際に車椅子に装備してある護身用に隠してある木刀で足をかける。バランスを崩した女子高生は膝をつく、首筋には既に木刀が当てられていた。
「できるならな」
「なッ・・・」
「安心しろ、仕返しはしない。その拳、当てられるもんなら当ててみな」
「クッ、おい行くぞ」
リーダーらしき女子高生は取り巻きをつれて退散していった。雪羅は木刀をしまうと、眼鏡の少女に近づいた。
「大丈夫か?」
「え、ええ。ありがと・・・」
「お前、PTSDか?」
「ッ、何でそれを・・・?」
「さっきの奴がお前に手を銃のようにしたとき、お前は尋常じゃない怯え方をした。普通はあんな顔が真っ青になるなんてあり得ない」
「あなた、一体何者?」
「ただの観察力のある訳ありの高校生だ」
「そうじゃなくって、名前」
少女は雪羅に名前を尋ねる。雪羅は『ああ、そっちか』と思いながら答えた。
「高嶺雪羅だ」
「高嶺、雪羅・・・」
「お前は?」
「朝田、詩乃」
「そうか、じゃあ俺はもう行くぞ。一人で帰れるか?」
「ええ、その、ありがと・・・」
「気にするな、あいつらにイラッときただけだからな」
そう言って雪羅は路地から去っていった。残された詩乃はあの剣さばきに覚えがあった。
「あの剣さばき、あの眼、あの時の・・・」
彼女が11歳のとき、彼女の日常が一変した事件。それをきっかけとした虐めを受けていた時に、彼と同じ碧眼の少年に助けら
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