第2章 秘められた能力編
誕生日の出来事(前編)
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今年の挨拶を終えた俺は用事が全部終わったのであとは帰るだけだからバイクで走り出した時だった……
携帯電話の着信音が鳴った……
……相手は狙撃科のレキか……
なんの用かわからないが一応出る
「とりあえず…出るか…」
ピッ……
「………九条…裕也さんですか?」
レキは相変わらずの無感情な声で
話してきた……
「レキか?どうしたんだ急に…」
「依頼を受けました…九条さん」
……?依頼を受けた?
それを何故俺に報告するんだ?
「………九条さんを生け捕りにしろという依頼を受けたので…生け捕りにします…動かないで下さい…」
………なるほど、それで警告と予告を兼ねて電話をしてきたわけか……
「残念だがな…レキ…無理な話だな
まず…動くなということだがな……
俺はいま高速をバイクで移動中だ…いますぐ止まるのは無理だな…」
「確かに…そうですね…では…」
「あと…生け捕りにされるつもりもないからな…」
「……そうですか…なら私から逃げて下さい…九条さん…そうすれば生け捕りにできませんので……」
「…はぁ…よく言うぜ…逃がすつもりなんてないくせに…レキ?」
「当たり前です…九条さん」
プツ……
レキはそう言い残すと電話を切った
タァァーンっ……
「くそっ…早速撃ってきやがった」
俺は車体を低くして車の通りが少ない車線に移動しながら蛇行やジャンプを混ぜながらレキの狙撃を避ける
タァーンタァァーン…タァァーン…
レキとの距離が離れていることが幸いしているのかなんとか狙撃を躱すことができているが…どうも誘導されている気がするな……
タァァーンっタタァァーンっ…
「……っ!!まずいっ……」
今まではリズムが一定だったから
ある程度予測出来たがパターンを
変えてきたことにより動揺した…
バイクの起動上にドラグノフの弾丸が重なっている……
……避けれねぇ……恐らく直撃するコースだと俺は予測した…
……だが、実際はバイクのタイヤを
正確に撃ち抜かれただけだった……
俺はバイクのホイールを剥き出しにした状態で高速にホイール痕を残しながら時速120kから減速を試る……
ギャギャギャギャーーーーっ
金属が擦れる音を盛大に鳴らしながら少しずつ減速していく……
レキはもう撃ってきてはこない……
恐らくタイヤを撃ち抜いて勝ちを…確信したのだろう……
その時……俺の体の中で血が疼いた
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