第三十七話『呼ばれる由縁』
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ラウラは「そして」と繋げると
「部隊を育て上げ、私をここまで強く成長させていただいたスウェン隊長こそが、前隊長なのだ」
「「「!?」」」
「ス、スウェンが隊長……!?」
一夏達は驚愕する。それもそのはず、シュバルツェ・ハーゼは世界が認める有数の部隊。そんな部隊の前隊長が男、ましてやスウェンであったという事に驚きを隠せない。
「だがあくまでも前隊長、だからな。今は普通の軍人だ……もう隊長でもなんでもない」
「それでも私は『隊長』と今まで通り呼ばせていただきますよ」
「……勝手にしろ」
半ば諦め掛けたかのようにスウェンはため息を吐く。
「ラウラがスウェンをそこまで慕う理由、わかった気がするよ」
「フフ……つまりだ、私と隊長の間には切っても切れぬ絆があるのだ、お前が入り込む隙間などないぞ?」
「むっ! そ、そんなことないよ!僕だって……」
後半の方がよく聞き取れずラウラはいじの悪い笑みを浮かべながら
「どうした?聞こえんぞ?」
「う、う〜……」
「全く、ラウラ、そこまでに……すまない、席をはずす」
「「え?」」
突然スウェンは食器を持って立ち上がり、食器置き場へと置き何処かへと駆けていった。
「どしたのかしらスウェンさん?」
「何か用事でも思い出したんじゃない?」
「隊長……」
※
「簪」
「?」
食堂を飛び出したスウェンは廊下で簪を呼び止める。
「何か用?」
「ああ、明日の放課後少し手を貸して欲しい。お前の都合がよければなのだがな」
「……別に良いよ、予定ないし」
「それは助かる……そうだ、あと……」
「?」
スウェンは一息置くと
「付き合って欲しい」
「……え?」
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