雷の神の一撃を
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バーに対して“お前等のメンバーを人質に取ってる。これで動けねえだろ!”と言うのと同じ。
彼等にそんな事を言えば、再起不能なまでに倒されるのが目に見えるオチだ。
「オレ相手にあの2人を使う、ねえ…」
例えば、クロス相手にティアを使った――――彼女の幻覚を見せるなり、操って攻撃させるなりさせたとする。そうすれば、きっとクロスは、ティアに攻撃されれば“ティアには”手を出せない。が、だからといって術者を無傷で済ませるかといえば違う。無傷どころか、八つ裂きにされるレベルだ。「俺の姉さんに何をした貴様あああああ!肉も骨も存在すらも残さず切り刻む!」等と壊れながらも叫ぶだろう。
「可愛い妹と愛する恋人をオレ相手に使う……」
例えば、アルカ相手にミラを利用したとする。人質にとって誘き寄せるなり、攻撃の盾にするなり方法は様々だ。もう結果は目に見えているも同然だが、アルカは何があっても相手を許さない。こちらはこちらで全身燃やすなり全身土に埋めるなり、“やりすぎた場合は”簡単に行う。勿論、ミラを助け安全な場所に避難させた上で、だ。
「どんな罪よりも重い事を平気でやるじゃねえか、テメエは」
そして。
上記2人の行動を、きっとクロノは止めるだろう。やり過ぎだと言って、聞かない場合は力づくで。
―――――だが、自分が似たような状況にある場合、何もしないかと聞かれれば答えは当然否である。
妹と恋人を使われて黙っているなど、クロノには出来やしない。
「余裕で死刑執行レベルだ―――――どうなっても文句はねえよな大罪人!」
「!」
一方その頃。
塔の中を彷徨うように歩くライアーに支えられるクロスは、ピクリと反応していた。
「どうしました?主」
「……どこかで姉さんが利用された」
「はあ?」
「きっとこれは神の思し召しに違いない―――――姉さんを利用した者を八つ裂きにしろという!」
「それはきっと神様の思い違いか何かでしょう」
「む」
こちらも反応を示していた。
出口を探すヴィーテルシアの小さな声に、エルザが振り返る。
「何かあったのか?ヴィーテルシア」
「何者かがティアを利用した……」
「?」
「許さん…絶対に許さん。エルザ、早く出るぞ。ティアを利用した者をこの手で裁く為に」
「あ…ああ……」
雷が落ちる。
ジョーカーの攻撃の全てを焦がすように、ピンポイントに。
その全てを完璧に操るクロノはミョルニルを軽々と振り回し、ジョーカーはそれを避け、攻撃を放つ。
「憤怒!」
「効くかっての!風神オーディンに命じる!“その名の語源の通り、オレの敵を吹き
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