運命の決着編
第128話 ザックの真意 @
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「だから踏み止まれと? そんな安い考えで止まるから、お前は真の強さには至らなかったんだ。室井咲」
戒斗の拒絶は、咲の胸をにぶく抉った。
(強くなくたっていい。大好きなみんなと、楽しい思い出をつみかさねていけたらいいって。あたしが望むのはそれだけなのに。戒斗くんにこのキモチはとどかない)
戒斗が再びロード・バロンに変異した。
「咲ちゃんは下がって!」
鎧武がカチドキロックシードと極の鍵を同時にバックルにセットし、鍵を回した。
《 カチドキアームズ いざ出陣 エイ・エイ・オーッ 》
《 極アームズ 大・大・大・大・大将軍 》
再び始まる、鎧武とロード・バロンの戦い。訴えて、話して、通じなかった。後は刃を交えるしかないのか。迷いで、ロックシードの開錠ボタンを押す指が、震える。
その時、まるで咲が使い物にならないことに気づいたようなタイミングで、ザックがナックルに変身した。
ナックルはロード・バロンと鎧武の間に割り込んだ。
『加勢するぜ、戒斗っ』
咲は頭を大きく振って、腹に巻いていたドライバーに、ドラゴンフルーツの錠前を再びセット、カットした。
「変身っ」
《 ドラゴンフルーツアームズ Bomb Voyage 》
炎の形をした果実の鎧が咲を装甲し、月花へ変えた。
月花はナックルがしたように、鎧武とナックルの間に割り込み、ナックルを鎧武から引き離した。
DFバトンを両手に構えた月花は、両手のクルミボンバーを構えたナックルと向き合った。
『紘汰くん、戒斗くんに集中して!』
『戒斗、こっちは気にすんな!』
と、啖呵を切ったものの、変身しても縮まらないものがあった。体格差だ。
何度もくり出されるパンチを、DFバトンを交差させて防ぐが、どんどん後ろへ押しやられていく。パワー押しのナックルと、スピード型の月花では、月花のほうに分が悪かった。
やがてナックルは月花を押し倒して、地面に縫いつけた。月花がばたついても解けない。ナックルは大の男で月花は小学生、当然のことである。
ナックルはフェイスマスクをぎりぎりまで月花に寄せ――
『今は紘汰連れて退け』
まるで戒斗の脅威から遠ざけようとしているかのような言葉を、口にした。
『何言って…っ』
『頼む』
表情は見えずとも、ナックルが必死なのは伝わった。
その必死さに、負けた。
月花は威力を弱く設定したDFボムを出し、自分とナックルの間で起爆した。
『ぐはっ!?』
『きゃうっ』
月花とナックルが爆発の衝撃で、互いに離れて転がった。
熱かったが、立てないほどではない。だが月花は立てないフリをした。こうすれば鎧武は絶対に見逃せな
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