第百八十七話 厳罰
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しながら、ジッと全ての艦が入港するまで見続ける。
全ての負傷兵が搬出される頃には、ロイエンタール救援艦隊全艦も入港を終わりロイエンタール以下7人の提督達、彼等の参謀長達、シェーンバルト、キルヒアイスが帰投報告のためにテレーゼの前に立つことになった。本来であれば、エッシェンバッハ元帥が対応するの事が筋ではあるが宇宙艦隊司令長官として叛乱軍の動向を確認する必要が有るために、此処には来ておらず、代わりにケスラー大将が代理として来ていた。
8人の司令官と8人の参謀長がテレーゼの前で敬礼をする中、(ラインハルトは嫌々していたのであるが)テレーゼは、徐にラインハルトの元へ行くと、公式の場では全く見せない顔をする。その姿は全身から怒気を発するが如く眉間に皺を寄せ目は三白眼で正に不良のガンツケ状態と言えた。その直後その口から発せられた言葉にその場にいた者達は驚愕するする事に成る。
「シェーンバルト少将、卿は自らを天才と自称しているが、この体たらくは何ぞ!15万もの将兵の命をすり減らしたのは何ぞ!言ったはずよ。教科書通りの攻撃など敵につけ込まれるだけだと、兵の命を無駄にするなと言ったはずよ!卿はそれを無視した挙げ句にこのざまよ!こんな馬鹿なことをする卿に大事な兵を指揮する資格などないわ!戦争は遊びじゃないのよ!一瞬の判断が数万数十万の命を消すことになるわ。それも判らずにまるでピクニックか狩りでもするが如くの戦場での振る舞い。今まで散々グリューネワルトの弟だからと父上から言われて我慢してきたけど、今度ばかりは堪忍袋の緒が切れたわ!お前なんか、引きこもって家で艦隊戦のゲームでもしてればいいのよ!お前のような馬鹿の指揮で兵を無駄死にさせないためにお前の指揮権を剥奪する!」
テレーゼの感情を爆発させた怒声にその場にいた殆どの者が息を呑んだが、当のラインハルトはテレーゼの発言に対して感情を爆発させ、手の平に爪が刺さるほどに手を握りしめながら“戦場に出たこともない癖にこの小娘が何を言うか!”と怒りを溜め込んでいた。キルヒアイスはテレーゼの見たこともない行動に驚きながらも兵を無駄死にさせたことに今更ながら後悔の念が出始めていた。
「殿下、お気を確かに」
一緒に居たケスラーが驚きながらも、テレーゼの行った事が危険だと感じ、何とか場を取りなそうとしたが、テレーゼにしてみれば、それは返って火に油を注ぐ行為になった。
「ケスラー、今は言わせて頂戴、シェーンバルトは幼年学校では父上の寵姫である姉の威をかって我が儘放題に振る舞い、同級生は元より上級生までを殴る蹴るの暴行三昧、普通ならば放校処分が当たり前なのに、寵姫の権力でお咎め無し!そんな輩が幼年学校首席卒業な訳が無いじゃない!姉の口利きで下駄履かせただけなのにも関わらず、天才だってチャンチャラ可笑しいわ!アンネ
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