第百六十一話
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第百六十一話 リーダーらしく
梨花はクラウンのリーダーだ、このことは五人だった時から同じで七人になった今でも変わらない。その梨花もだ。
歯磨きは忘れない、その彼女に使い魔のピエールとジュリエッタが言う。
「私達は歯がないので」
「歯磨きの必要はないですが」
口をゆすぐ位だ、彼等の場合は。
「しかしですね」
「ご主人はいつもですね」
「歯磨きは忘れませんね」
「毎日磨かれていますね」
「忘れたらね」
それこそ、という梨花だった。
「しかも甘いものを食べた後はね」
「はい、虫歯ですね」
「虫歯になるからですね」
「それに甘いものを食べずともですね」
「お口の中は綺麗にしないと」
「よくないから」
それで、というのだ。
「例えば口内炎が出来た時にお口の中が汚いとね」
「傷口から雑菌が入り」
「余計によくありませんね」
「だからね、いつもね」
「ご主人は歯をですね」
「磨かれているのですね」
「一度口内炎になったの」
そうなった時があったのだ、梨花にも。
「その時にお母さんに言われたの」
「歯を磨いている方がですか」
「口内炎にもいいと」
「歯を磨いていないよりも」
「磨いている方がですね」
「そう、いいと言われてね」
それでというのだ。34
「私は丁寧に磨いているの」
「そしてそれはですね」
「私達もですね」
「歯を磨かずとも」
「お口の中は」
「綺麗にしておくべきよ」
歯がない彼等でもだというのだ。
「さもないとね」
「いざという時にですね」
「余計に厄介なことになるから」
「普段から綺麗にしておく」
「そのことが大事なのですね」
「そうよ、だからお口をゆすぐこともね」
このこともというのだ。
「忘れないでね」
「はい、わかっています」
「我々も」
使い魔達も答える、彼等もそのことはよくわかっているのだ。
第百六十一話 完
2014・8・22
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