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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
33 救うための勇気
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ような自己犠牲では結局誰も救えない。
スズカが同じ道を歩もうとするのが許せなかった。

「死ぬのが怖くないっていうならそれでもいいさ!でも自分を犠牲にすれば誰かを救えるなんて思わないことだ!!」

スターダストの剣幕にスズカは圧倒された。
確かに自分の考えは最初から自分を捨て、自分も助かる方法を考えるのを諦めきっていた。
だがそれ以上にスターダスト=彩斗の言葉の裏に隠れたものを感じた。
自分自身が自己犠牲で誰かを救えると思っていた事があったからだと。

「...ごめんなさい」
「僕は君の希望通りにする。もう一度、5秒で考え直して。それ以上待てない」

意地が悪いとは思った。
自分を犠牲にする覚悟があっても普通の人間なら死ぬのが怖くないわけがない。
その覚悟を既に見せている段階でスズカの意思は既に分かりきっていた。

「もし今からでも私が死にたくないって言ったら...助けてくれる?」
「もちろん」

スターダストはグングニルで校旗の掲げられた塔に狙いを定めると、トリガーを引き、フックの付いたワイヤーを射出した。
そしてワイヤーをベルトに引っ掛けると、深呼吸をしてスズカを更に強く抱き寄せ、スズカもそれに応えるようにスターダストに身を預け、覚悟を決め、声色を再び裏声に変えた。

『オレが助ける...!』

そう宣言するとスターダストはスズカを抱えて飛び立った。
それはまさにジェットコースターのようだった。
肌で風と重力を感じて燃え盛る炎を横切って空中でU字を描く。
その光景は消火活動を始めようとしていた待機中の大量のWAXAと少数の警察の目に映った。

「何だ、あれは!?」
「ロックマンだ!!!」
「撃て!!!」
「待て!!人質の生徒を連れてる!!!」

映画でも観ているような気分だった。
声に出した反応が出来た隊員たちはまともな方で、普通の隊員たちはその光景に口をぽかんと開けてしまっていた。
だが次の瞬間には人質が無事だったことを喜ぶ声が湧き上がった。
そしてそれはグラウンドの400メートルトラックの中央、サッカーグラウンドでメリーを連れてきていたアシッド・エース=シドウに保護された先に避難していた人質の生徒たちも同じだった。
スズカとスターダストが残り、その数秒後に下の階が爆発して避難経路である非常階段も使えなくなった。
だが奇跡が起こった。

「やったぁ!!!」
「スズカちゃんとロックマンだ!!!」
「やったぜ!!ロックマン!!すげぇぇ!!!」

歓声が沸き上がる。
それと同時にスターダストとスズカの空中浮遊は終わった。
見事にグラウンドのフェンスを超え、芝生の上に着地する。

「さすがだな。ヒーロー」
シドウもあまりにも常識外れな脱出に正直驚いていたが、そ
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