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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
33 救うための勇気
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された生粋の芸術家、仮に努力して才能を得ようとしている者であっても正気を保っていることは出来ない。
悲鳴、泣き狂う声、暴れまわる激しい物音とそれを騙させようとする大人たちの怒鳴り声だった。

「ぐっ!?」

スターダストは既に計画など頭に無かった。
早くこの扉を突破し、中にいるValkyrieを御す。
最悪殺してしまっても構わない。
しかし扉は常人を遥かに上回る電波人間であるスターダストの腕力を持ってしても開けることは出来なかった。
鉛のような重さ、内側からの電子ロック、だが既にメリーにパソコンの入ったバッグごと背負わせ、シドウが避難させている。
仮にあっても今から侵入してドアロックを解除したのでは間に合わない。
だが反面、既に姿を隠して行動する必要性も無くなっていた。
「強行突破」、その単語だけが頭には浮かんでいた。

『ドアから離れろ!!バトルカード!!ボムライザー!!!』

バトルカードを読み込むとドアを爆破で吹き飛ばし、爆風に紛れて会議室に突入した。
いきなりの爆発で悲鳴は更に大きくなり、暴発した銃の音が響き、爆風で視界がすこぶる悪い。
だがその中でスターダストだけはバイザー越しに正確な光景を目にしていた。

「ヤァ!!ハァァ!!!」

「うっ!?」
「あぁ!?」

すぐさま銃を持った男2人を回し蹴りで倒す。
一瞬の出来事だった。
人質たちは既に状況を飲み込める心理状態ではなくなっていた。
突如として爆風とともに現れた灰色の男が2日に渡って自分たちを監禁していた男を一瞬で倒してしまった、その状況を見つめて口をぽかんと開けていた。

「全員、無事か!?」

スターダストは男たちの持っていた銃を踏み潰す。
その声で人質の生徒たちは現実に連れ戻され、徐々に状況を理解した。

「...え?助けにきたの?」
「助けが来た...」
「やったぞ!!助かるんだ!!」

彼らからは目の前に現れた希望があまりにも大きく感じられた。
スターダスト、黒と白の間の灰色という善悪のハッキリしない者を正義だと理解し、希望そのもののようにも感じていた。
スターダストは会議室の奥のベランダへの窓を格子ごと蹴り外した。

「ここから出て非常階段を使ってグラウンドに避難しろ!!」

「ありがとう!!」
「速く!!!」

人質の生徒たちはまるで生き返ったかのようにスターダストが開いた出口に雪崩れ込み、避難を開始した。
中には2日間、まともに睡眠も食事も得られずに極度の緊張から解放されたショックでうまく歩けずに手を貸してもらっている者もいる。
若干、情けなさそうな顔をしているが、これが普通の人間の反応であって誰も馬鹿にする者も見捨てて自分だけが助かろうとする者もいなかった。
だがそんな時、ス
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