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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第8話 「白き剣」
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を平然と言うとは・・・、度を越えた天然ですね。少し考えればこうなることは分かり切ってたでしょうに。

「いたたたたたっ!!」
「私はからかわれるのが嫌いだ。」
「はっ、はい!分かりました!分かりましたから!早く離し・・・あうううっ!」

俺は先程から騒がしい大人2人から視線を外し、箒に目を向ける。彼女は教師たちとは対照的にただ黙って一心不乱に試合の様子を見つめている。その目は一夏のみを映し、その表情は心配を物語るかのように険しい。まったく、大人組にも少しは箒の態度を見習ってほしいものだ。

「そこの教師2人、じゃれあってないで静かに観戦したらどうです?そろそろ決着がつきますよ。」

俺は千冬さんと山田先生を制しながら画面に視線を戻す。いよいよ試合は終盤に差し掛かっていた。



全てのビットを破壊し終えた一夏は満を持してオルコットに突っ込む。その顔には確信が窺える。『ブルー・ティアーズ』の制御に全力を注いでいたオルコットは射撃体勢を整えるのに多少時間がかかる。。この間合いでは『スターライトmk-III』を構えるのより一夏の斬撃が届く方が確実に早い。しかし、オルコットの表情は焦燥を感じさせなかった。

『・・・かかりましたわ。』

不敵な笑みを浮かべたオルコットの腰部、スカートアーマーの突起が動いた。本能的に危険を感じた一夏が急いで距離を取ろうとするが間に合わない。

『お生憎様、ティアーズは6機あってよ!』

そう、『ブルー・ティアーズ』の総数は6機。先程一夏が破壊したレーザー発射型のビット4機の他に、『弾道(ミサイル)型』の2機が残っていたのだ。《白式》を理解するのに時間を割いていた一夏は対戦するISの情報をよく確認していなかった。それ故の落ち度。目の前で放たれた誘導ミサイルを振り切れず、轟音と共に一夏は爆炎と光に包まれた。

「一夏っ!」

それを見た箒が思わず叫ぶ。山田先生も今までにないほど真剣な面持ちで煙に包まれた画面を注視している。俺と千冬さんも真剣な表情で画面を見つめていたがすぐに安堵の表情を浮かべた。

「ふん。機体に救われたな、馬鹿者が。」
「そんなドンピシャな調整した覚えないんだけどなぁ。運が良い奴。」

余裕の感じられる発言に怪訝な表情を浮かべる箒と山田先生だったが、すぐに理由が分かった。目の前の画面には変貌を遂げた白い鎧を纏った一夏が佇んでいた。

『これは・・・。』
『ま、まさか・・・、一次形態移行(ファーストシフト)!?あ、貴方、今まで初期設定だけの機体で戦っていたっていうの!?』

そう、俺が途中まで仕上げていた初期化と最適化、それに伴う一次形態移行が奇跡的なグッドタイミングで終了し、遂に《白式》が一夏の専用機になったのだ。

『これは・・・。』


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