ターン14 鉄砲水と負の遺産
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っと大きいらしい。あまり大きすぎるのも不便なので、基本的に若干縮めているのだそうだ。
そのチャクチャルさんが、キッと男を睨みつける。もっともチャクチャルさんの顔に目のようなものは見えないのでそちらの方へ向き直っただけなのだが、それでもすさまじいまでの威圧感である。
『………まさか貴様の顔をまた見ることになろうとはな、 』
「えっ?」
直前の文脈から考えるに、最後に言ったのは男の名前なんだろう。でも、なぜかそれが聞き取れなかった。何か言ったことだけは理解できたけど、何をどうやっていったのか、何文字の名前なのか、それすらもわからない。それに気づいたチャクチャルさんが、軽く舌打ちをする。
『ふん。名前を捨ててまで力を欲したか?昔から何一つ成長していないな、強欲にして傲慢な人間だ』
「はっはあ!なんとでも言いなよ、神さんよお。俺はお前が力をくれる、復讐させてくれるっていうからホイホイ誘いに乗ってやったんだ。なのにどうだ?シグナーとかいうふざけた奴に受けた屈辱、俺は二度と忘れねえ。俺は強くなったんじゃねえのかよ!」
「チャクチャルさん、知り合いなの?」
男の剣幕に一瞬黙ったチャクチャルさん。今の会話からだいたい予想はついたけど、本人の口から確かめたかった。
『………あの男は、5000年前私がダークシグナーとして契約をした、いわゆる先代だ」
「ふむ。やっぱりね」
『む、驚かないのか?いや、話を聞いていればすぐにわかることか』
「うんうん。僕が聞きたいのはその後だよ。なんでそんなのが今、現代にいるわけ?チャクチャルさんまで出てくるってことは、これはただの夢じゃないんでしょ?」
『まあ、な。詳しいことは後々話すから、まずは黙って私の言うことをよく聞いてほしい』
何を言い出すのかはわからないけど、なんだか妙に真剣な様子のチャクチャルさんを見て何か言うのはやめておいた。この神様がここまで真剣なんだ、こちらも真剣に聞くのが筋というものだろう。
「おいおい、1人と1尾で仲良く作戦タイムかい?強い奴ならまだしもそんな甘い奴に入れ込むなんて随分と人を見る目が曇ったもんだな、地縛神サンよお」
「………チャクチャルさん、昔はどんなキャラだったの?」
僕にしてみれば、ややシリアスさが増してるものの割といつも通りのお方です。常にどこかすっとぼけてる食えない性格の、でもいつだってとても頼りになる神様。
『 、いや、その名すら捨てた先代。今の発言は聞き捨てならないな、取り消してもらおうか』
「あー?」
『ここにいる遊野清明は、私を扱うだけの力があると私が判断した………私のマスターだ。マスターへの侮辱は私への侮辱として受け取ろう』
一瞬ぽかんとする。それは男、いや先代も同じだったようだ。だ
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