ターン14 鉄砲水と負の遺産
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ずしりと重量感のある岩の拳が、いまだ残っていた茨にまとわりつかれながらもオイスターマイスターを撃ちぬく。オイスターマイスターは攻撃力こそレベル3の中ではそこそこ高いが、守備力は低いのだ。
ゴゴゴゴーレム 攻900→オイスターマイスター 守200(破壊)
「そのままカードガードによるダイレクトアタック!こいつはどうやったって防げないのさ!」
カードガード 攻1900→清明(直接攻撃)
清明 LP4450→2550
「し、しまった………っ!」
特大のダメージに吹き飛ばされて背中をしたたかに地面に打ち付けながら、今の致命的なミスに気づいて舌打ちする。ポセイドン・ウェーブを最初の攻撃に使ったのはいい。そうしなければ効果ダメージが通らなかった。だが、その次のドレインシールドは悪手でしかない。あそこは1発耐えておき、攻撃力が最も高い今の攻撃まで温存しておくべきだった。
「なんで………なんでこんな…………!」
「なんだ、無意識だったのかい?もっともおおかた、オイスターマイスターがやられるところが見たくなかったとかそんな理由だろうよ!それに、どんな理由にせよ後悔は今更遅いねえ、旦那。ねえ、今どんな気持ちだい?フィールドも手札もカードは0、ライフは既に残り半分。もし次のドローでブラック・ホールなんかを引いたとしても波動キャノンが処理できない限り勝つことは不可能。神禽王アレクトール………今は入ってないんだよねええ?さてと、俺はカードをセットさせてもらうさ」
「うっ……」
なんでそんなことまで知ってんだ、昔僕のデッキにアレクトールが入ってたことなんて知ってる人はほとんどいないってのに。いや、これは夢だ。忘れがちだけどあくまで夢の中、細かいところにいちいち突っ込んでたらきりがない。
「さあ、早く最後のドローしようや旦那。それで終わればいいよ」
「ふざけるなっ!」
反射的に言い返す。だけど、確かに今の僕のデッキであの布陣をどうにかできるカードは存在しない。ここでどんなカードをドローしようとも、もう何も………。
『その勝負、待った!』
「えっ!?」
「この声…………ようやくお出ましかい、この駄神!」
大地を震わすほどの大音声が鳴り響き、足元から暗い紫色の焔が一定の形を作るように吹き出す。その姿はさながら、縦横無尽に荒海を駆けるシャチのような。僕は、この形を知っている。この炎の色を知っている。そしてなにより、この声を知っている。
『すまないな、遅くなって』
「チャクチャルさん!」
地面からゆっくりと、僕に力をくれた地縛神が浮上する。その巨体は小学校のグラウンドをすっぽり覆い尽くすほど大きく、そして威厳に満ちている。一度聞いてみたことがあるのだが、チャクチャルさんは本来はも
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