ターン14 鉄砲水と負の遺産
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から、なんか妙に愛想がいいというか友好的な態度ばかり取ってくる男。だけど、こうして目の前にいる僕にはわかる。これは、とにかく危険だ。下手をすると三幻魔以上に。だからといってこっちだって一応はダークシグナー、態度を改める気は特にないけど。それはそれとして、このデュエルも十中八九闇のゲームと見て間違いないだろう。なら、ますます負けるわけにはいかない。命どころか魂まで取られる、あるいはもっとまずいことが起きる可能性もある。
シャークラーケン 攻2400
オイスタートークン 守0
「………あれ?」
いつも通りに飛び出してくる僕のモンスターたち。その、何もおかしいところがないはずの風景にどこか違和感を感じた。だけど、それがなんだろうか、と思いを巡らす暇はない。
「俺のターン!クク、永続魔法発動、波動キャノン!」
男の場に出現したのは、いかにも危険そうな大きな砲台。発動からのターン数につき1000ものライフダメージを与える恐るべきカードだ。今はまだそこにエネルギーは溜まっていないけど、早めに終わらせないとまずいことになるのは間違いない。
…………と言うとでも思ったか。実は、僕の手札にはすでに速攻魔法、サイクロンが存在しているのだ。このターンは放っておくとして、次の僕のターンになったらさっさと破壊してやろうっと。
「そして悪魔族モンスター、カードガードを召喚。このカードは召喚時に自身にガードカウンターを1つ乗せ、そのカウンターを1ターンに1回別のカードに移し替えることができる。俺は早速この移し替え効果を使い、波動キャノンにガードカウンターを装着!甘いんだよ旦那ぁ、そんな程度の浅い考え、とっくの昔にお見通しだ!」
カードガード 守500
派手な紅白の、どこかエイのようなデザインの悪魔が波動キャノンの上にぺたりと両手両足を使ってへばりつく。わざわざ守備力500程度のモンスターを出してくるなんて、他にいいモンスターがいなかったのか、それとも今のガードカウンターとやらがそんなに大切なんだろうか。
「カードを2枚伏せてぇ、フィールド魔法発動、ブラック・ガーデン〜!これでぇぇ、ターンエンドォォ」
おどけたしぐさの一つ一つが何だか妙に癇に障る。だけど喧嘩は先に熱くなりすぎたほうの負けだ。
清明 LP4000 手札:3
モンスター:シャークラーケン(攻)
オイスタートークン(守)
魔法・罠:なし
??? LP4000 手札:1
モンスター:カードガード(守)
魔法・罠:2(伏せ)
場:ブラック・ガーデン
「僕のターン………ん?」
カードを引く。ここでようやく、さっきの違和感の正体に気が付いた。精霊たちの声が、さっきから全く聞こえないのだ。ここ数日は意図的に
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