第二十二話 菊の日常その十
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「よく言われるわ」
「もうそれはね」
「お寺にいるから」
「それでなのよ」
「では私もですね」
桜もだった、彼女の場合は。ハンバーガーを食べつつ言う。
「和服のことは。やはり」
「うん、桜ちゃんのお家は絹問屋さんだからね」
「和服も扱っています」
つまり呉服をというのだ。
「そちらも」
「それじゃあね」
「服や絹のことに詳しくなりますね」
「自然とね。そういうことは皆同じなのね」
菊はあらためて思ったのだった。
「本当に」
「環境が人を作るのね」
菫も言って来た、サンドイッチを食べつつ。
「私にしても」
「菫ちゃんもね」
彼女自身もとだ、菊は菫にも話した。
「そうよね」
「やっぱりそうなるわね」
「ええ。あと私末っ子気質って言われるけれど」
「実際に末っ子よね、菊ちゃんは」
「そう、上にお兄ちゃんが三人いるから」
裕香の言葉にだ、菊ははっきりと答えた。裕香は寮で自分で作ったお握りを食べている。薊のそれよりも遥かに小さい。
「それでね」
「実際に末っ子だから」
「そうした気質になったと思うわ」
「末っ子気質ね」
「しかも女の子は私一人だから」
家で、というのだ。
「余計に可愛がられてるかも」
「甘やかされてるとか?」
「そう思うわ。何かと」
そうなっているというのだ。
「特にお母さんに」
「お母さんに」
「ずっと一緒にいれくれて。色々と優しく教えてくれtえ」
「いいお母さんなのね」
「自分でもそう思うわ、本当に」
こう言ってだ、そしてだった。菊は自分のお握りを一口食べた。そうしてからこう言うのだった。
「お握りだって美味しい握り方をお母さんが教えてくれたのよ」
「本当にいいお母さんだね」
智和も微笑んで言って来た、彼もいるのだ。見れば彼の弁当は寮は普通だが食材はかなりよく贅沢なものだった。
「菊ちゃんのお母さんは」
「はい、血はつながってなくても」
「それでもだね」
「凄く優しくて色々教えてくれて」
「そしてだね」
「頼りになります」
「菊ちゃんに一番影響を与えた人かな」
そこまでの人かというのだ。
「やっぱり」
「そうですね、お母さんがいてくれたから」
「今の君があるね」
「そう思います、自分でも」
こう言うのだった、菊はそうしたことを話しながらそのうえで昼食も楽しんだ。そして部活にも出て身体を動かす。
この日忍術研究会は外でサーキットトレーニングをしていた、毎日走ってこれもしているのだが今日は特にだった。
サーキットトレーニングのメニューが多かった、それでかなり汗をかいた後で。
整理体操のストレッチをしていた、そのストレッチをしている菊にだ。
黒蘭が来てだ、こう言ってきた。
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