ムキムキと姉
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ムキ』に挑む人間は、九割が無謀と思われる一つ目の選択肢しか選ばない。なぜか。答えは簡単だ。二つ目の選択肢が、とっても…恥ずかしいからなのよ!
コホン。
ええ…賢い皆様方なら、もうおわかりね?さっきあたしがやったあのこっ恥ずかしい愛言葉が、その二つ目の選択肢よ。
あたしは何故かアーサーと共にやったけど、普通はひとりでやるものなので、孤独にひとりマッチョポーズをして精神的に公開処刑という憂き目に遭うか、肉体的にボコボコにされるの選ぶかは、個人の自由。
でもね、あたしもこう見えて、弱くないんだぞー。そんじょそこらのごろつきぐらいなら軽くノせるんだけどなぁ〜。
「本当に大丈夫なのか?」
「まぁ、それなりに腕は立つわよ。アーサーには…どうだろ。敵わないかな?」
あたしは言った。
アーサーは、ほう、と言う顔をした。それは悪い顔ではない。あたしが冷静に自分の力量を量って、他人と比べられているのをかってくれている顔だ。
しかし、あたしは部屋中の男共を見回すと、にやりと不敵に笑った。
「でも!あんたらには負ける気がしない」
「言ってくれるな!」
血気盛んな男共がまた騒ぎ出したけれど、あたしは素知らぬ顔で流す。
「あたし、病気の弟がいて、その子のためにお金が欲しいの。誰か、何か良い仕事無いかしら?」
「病気の…弟…」
あたしがそう言うと、それまで思い思いに騒ぎまくっていた男達の動きが一斉にぴたりと止まった。
「あ、いや…ただの風邪なんだけど…」
しまったと思って訂正したけど、後の祭り。うおーーーっと一気に盛り上がった男共はあたしの言葉なんて聞いちゃいない!
「サラぁ、なんて良い姉なんだ!感動した!」
「いえ、あのぅ、ゴメンナサイ、ただの、風邪…」
「病院にも行けない弟の治療費を稼ごうとは見上げた根性だ!」
い、言ってない!そんなこと、言ってないぞー!?
あたしは、ただメロンのために…。
「だから…風邪…」
「ううっ、グスッ、サラぁ…。大丈夫だ、弟さんはきっと治るさ。世界は広い。例え不治の病だとしても、きっと治せる!諦めなければ、道は絶対に開ける!俺が保証するぅ!」
「も、もしもーし?」
な、泣いているぞあの男…。
最早話が盛られすぎてよくわからない。
い、いけない…弟は普通のよくある風邪で、きっと明日明後日にはすっかり治るだろうし、あたしはただメロンを買うための小
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