ムキムキと姉
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が上がる。
「嘘だろ、やりやがった!」
「女でここまでやった奴はいない。認めるしか、無いだろう」
どこか清々しそうにアーサーが言った。あたしも負けじと胸を張る。
「あんたもなかなかだったわよ」
「偉そうに」
アーサーはあたしの頭をとん、と小突いた。そう、小突いたんだと思う。しかし考えても見て欲しい。普通の人が「やだぁ〜ペしッ」と叩き合う絵は微笑ましくても、筋肉ムキムキの人間がやる「もぉ〜ツンッ」は一般人には「ホワタァ!アタタタァ!フォ〜!」と同じくらい致命傷だ。…つ、伝わったかしら?
「!?」
あたしは息を止めて目を白黒とさせた。
あまりの衝撃に頭部が飛んでいくかと思った…。あたしの頭、そこらへんに落ちてないわよね?
「おうぃ、サラぁ!こっちこいよ。仲間として認めてやるから、飲もうぜ!」
「いや、こっちだ!聖母様なら机を平等にまわるべきだ!」
「ちょっと!あたしは昼間っからあんた達と酒飲むためにここまできたんじゃないのよ!」
あたしが怒鳴っても、男達はどこ吹く風で益々盛り上がって酒を飲んでいる。
「そうだな。愛言葉は良いとして、本当に出来るのか?遊びじゃねぇんだぞ」
アーサーが心なしか心配そうに聞いてくる。ここのリーダーっぽいし、見た目に寄らず面倒見はいいのかもしれない。
まぁ、アーサーが心配してくれるのにはそれなりの理由があるのですよ。
全国展開しているこの『ギルド・ムキムキ』は、詰まるところ『退治』の斡旋所だ。
退治するものは、モンスターから害虫、賞金首、果ては要人の暗殺なんてものまで、なんでもござれ。自分で自分の力量に見合った仕事を見つけて、受ける。それを達成すれば危険度に応じた報酬が手に入る、という簡単なシステムよ。
ただし!仕事を受けるにはキッツイ条件がある。ギルドの仕事を受けようとする者は、次の二つの内、どちらかの方法で以て、その場にいるギルドメンバーに認めて貰わなければならないの。
一つ、そこにいるギルドメンバー全員を倒すこと。
普段から賞金首を軽く捻ってる野郎共全員倒すという、それがどれだけ難しいかは、あたしがここでせつせつと語るまでもないでしょう。しかも一対十や二十…大きいところだと百人を相手にするなんて話も聞く。もはやいじめもいいところだ。いじめ、ヨクナイ。それに自ら挑もうなんて、余程のバカか、力自慢でしかあり得ない。普通なら、他の選択肢があればそちらに縋りたいところ、なんだけれど。
しかし、この『ギルド・ムキ
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