初年度
学園編
TURN-05『湖上の決闘─フォトンVS魔導』
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あらば俺がサポートすればいいだろう。
「じゃあ次は────」
その後も、俺たちはできる限りの情報を交換した。
話に夢中になりすぎて──途中数回ほど脱線したが──気づけば空の月がハッキリと見え始めていた。
「さすがにこの時間帯に外は厳しくなってきたな」
「そ、そうだね‥‥」
見れば、凛は小刻みに震えていた。
そこまでか、とも思ったが、どうやら寒いのが苦手らしい。
体が丈夫≠ニいっても、それは病気に関してのことだし、こういうのは感覚の問題だからな‥‥。
「まあ今はこれ以上話すことも無いし、そろそろ帰るか」
「賛成!」
視覚からの情報とは全身にまで影響を及ぼすようだ。
凛を見ていると、俺も少し肌寒くなってきた。
「送ろうか?」
「ううん、大丈夫だよ」
凛のことを気遣って、寮まで送ろうかと提案したが、断られてしまった。
「いいのか?」
「うん。それに女子寮に男の子が来るのはマズイでしょ?」
「‥‥それもそうだな」
凛の発言で前日の翔のことを思い出し、俺たちは思わず苦笑した。
翔のような目にはできれば遭いたくはないし、話し合いの場所を決めた理由同様、変な噂が立ってもやはり困る。
「昨日は有耶無耶になってたけど、転生者%ッ士、これからよろしくな、凛」
「うん! こちらこそよろしくね、章刀くん」
俺たちは握手を交わした。
いつの間にやら自然と名前で呼び合っているし、きっと良好な関係を築けるだろう。
挨拶のついでにお互いの連絡先を交換し、その日はお開きとなった。
さて、帰って風呂にでも入るか。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【3人称side】
章刀と凛が話を終えようとしていたちょうどその頃。
同じ林の中、2人から十数メートルばかり離れた場所に立つ1本の木。
その木の枝に腰掛けている人の姿があった。
黒っぽいローブで全身を被っている為、顔を窺うことはできない。
しかし、胸の辺りに特徴的な膨らみがあることからして、女性だと判別できる。
小柄な辺り、どちらかといえば少女≠ニいうべきかも知れない。
時折除く細い足、白い素肌が、その少女の可憐さを想像させる。
枝に腰掛けるその少女は、話を終えて別れる章刀と凛に視線を向けながら、無邪気そうに呟いた。
「光凪章刀、綾崎 凛‥‥。女神が選んだ異生者たち‥‥。ふぅん、弱そ♪」
一瞬後、風が木々の葉を揺らしたかと思うと、そこに少女の姿はなかった。
─ To Be Continued ─
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