初年度
学園編
TURN-05『湖上の決闘─フォトンVS魔導』
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頼む。
「いいよ。ちょっと待ってね」
凛は腰に携えたデッキケースからデッキを取り出し、俺に差し出した。
俺は彼女からデッキを受け取ると、ザッと中身を見る。
「確かに‥‥。」
結論から言えば、彼女のデッキは【魔導】ではなかった。
分類的には魔導♀り構成の【魔法使い】か‥‥。
魔法使い族のモンスターを相性のいい魔法・罠でサポートしながらビートを掛ける、割とスタンダードなデッキだ。
シンクロやエクシーズがすでに登場している環境としては、結構珍しい。
「他にカードは持ってないのか?」
「‥‥‥‥」
俺が訊ねると、凛は押し黙ってしまった。
そして少ししてから、再び口を開いた。
「女の子がカード買うのって、勇気いるよね‥‥」
「‥‥そうだな」
凛の性格からして、そういうことなんだろうな、と思ってしまった。
話を詳しく聞いてみると、今使っているデッキも、弟やその友達からもらったカードで作ったらしい。
【魔導】──特にジュノンやバテル──を上げるとは、何とも太っ腹なヤツらだ。
さらに話を訊いてみると、転生する時も女神からカードをもらわなかったそうな‥‥。
何故かと問うと、転生させてもらえるだけでもありがたいのに、それ以上は申し訳なくて‥‥≠セとか‥‥。
こうしてみると、二次創作でいうところの無限カード>氛沍して無限などではないけれど──をしている自分が情けないようにも感じられる。
せめてもの罪滅ぼしとして、後日幾らかカードを上げようと思った。
「じゃあ次の質問だ。凛は元の世界の『遊戯王』の情報、どれだけ知ってる?」
昨日のデュエルの時、《フォトン・ワイバーン》の効果を知らなかったのが気になった。
別段、超有名≠ネカードではないが、古いカードか?≠ニ問われればそういう訳ではない。
効果を知る機会は少なからずあっただろう。
俺はそのことを含め、凛に問いかけた。
「前の世界にいた時は、アニメとかは観てたよ。けど、関連書籍とかはあんまり読んでなかったかな‥‥」
「漫画とかもか?」
「うん。あるのは知ってたけど、読んだことは無かったかな。漫画自体、あんまり読んだこと無いかも」
なるほど、漫画版を読んでないなら《フォトン・ワイバーン》を知らなかったのも頷ける。
もっとも、ワイバーンが登場したのは週刊の方に掲載された特別編で、効果も違っていたのだけれど。
「女神に情報とかもらってないのか?」
「もらってるんだけど‥‥私、デュエル以外での情報の整理って苦手で‥‥」
頭を掻きながら、照れ笑いを見せる凛。
この世界では現実の情報など特に要することもないとは思うが、まあ必要と
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