初年度
学園編
TURN-05『湖上の決闘─フォトンVS魔導』
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か?
「ふえ? あ、え? あ‥‥う、そ、そっか! そうだよね! あ、あははは‥‥」
凛は自分が勘違いしていたことに気づき、頬を掻いて笑っている。
必死に繕っているようだが、耳まで真っ赤になっている辺り、内心は錯乱状態だろう。
会ってまだ2日目だが、この娘はなんとなく、凄く女の子らしいと思えた。
デュエルの時は打って変わって凛々しくなるのも、それはそれでギャップがあってより可愛らしい。
背も比較的低めだし、案外──いや、かなり好みかも知れない。
「んんっ! じゃ、じゃあ改めて訊くけど、凛も俺と同じなんだよな?」
「え? あ、う、うん、そうだよ」
俺の問い掛けに対して、凛は頷いて肯定する。
ハッキリとした単語こそ口にはしなかったが、意図は十分に汲み取ってもらえたようだ。
徐々に落ち着きを取り戻し始めたのか、凛の表情が柔らかくなっている。
「やっぱりそうなんだな」
「うん。私、元々体が弱かったの。普通に遊んだりする分には特に問題は無かったんだけど、風邪とか引いちゃうと長引いて‥‥。それである日、ちょっと大きな病気に罹っちゃって、それでそのまま‥‥」
「そっか‥‥」
柔らかかった凛の表情は、話している内にとても暗鬱なものになっていった。
「あ、でも女神様に転生させてもらう時に丈夫な体にしてもらったから、もう風邪とかも平気だよ!」
俺に気を遣って明るく振舞う凛。
しかし、やはりどこか無理をしている気がした。
病気という悪魔は、身体だけではなくその心まで蝕んでいく。
彼女にとっては、辛い過去なんだろう。
そんな過去を思い出させてしまったことに、俺は罪悪感を抱いた。
「‥‥けど、めずらしいな。女の子でデュエルやってたなんて」
そんな罪悪感から逃れるために、俺は話題を変えた。
この世界ならともかく、現実世界では女性デュエリストは少ない。
全国的にはどうかは知らないが、少なくとも俺の周りにはアイツ以外いなかった。
「うん。周りでデュエルやってた女の子は私だけだったの。それで同年代の男の子とデュエルするのが、なんだか恥ずかしくて、ずっと弟とかその友達とやってたんだ」
「なるほどな」
何となくだが、今まで見てきた凛の性格からして、同年代の男子に「デュエルしよう」と言えない場面が容易に想像できてしまう。
「じゃあ次、凛のデッキって【魔導】だよな?」
「うーん、【魔導】とは、ちょっと違うかな?」
「‥‥ちょっと見せてもらってもいいか?」
これは先日のデュエルの時から薄々予想していたことだが、俺は凛の言葉の意味を完全に酌めず、直接デッキを確認させてもらおうと
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