初年度
学園編
TURN-05『湖上の決闘─フォトンVS魔導』
[19/22]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
は2つ。
「眠い、寒い」
《な、なるほど》
理由はただそれだけだし、ヴェールとしてもこれ以上聞くことがなかったのだろう。
会話はそこで途切れた。
ともかく、俺は早く暖かい布団に包まって眠りたいのだ。
自慢ではないが、俺はある程度環境が整っていれば何処でも寝れるという特技がある。
しかし、さすがにこの寒空の下で寝る勇気は無い。
だから急ぐのだ。
《そういえば、さっきの『凛』って人‥‥。マスターと同じ≠ネんですか?》
「あ? ああ、たぶんな‥‥」
そうだった。
ヴェールに言われるまで、眠さと寒さの所為ですっかり忘れていた。
まあ、明日にでも詳しい話を訊こう。
今はとにかく、暖と眠を取りたかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日の放課後──‥‥
俺は凛を、校舎に隣接する林の──特に人目につかない場所に呼び出した。
これからする話は誰かに聞かれるとマズイ。
校舎内は当たり前として、お互いの寮や自室も勿論アウトだ。
変な噂が立っても困るし、そもそも彼女に迷惑が掛かる。
そこへ行くと、林の中も多少のリスクはあるが、寮や自室と比べれば幾分かは安全だろう。
妥当な選択である。
俺が少し太めの木に寄り掛かりながら1人で待っていると、背後から誰かの走る音と、荒れた息遣いが聞こえてきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥‥」
振り返るとそこには、一方の手を木に、もう一方の手を膝に置き、明らかに困憊している凛の姿があった。
「ご、ごめっ‥‥はぁ、はぁ、お、おま、はぁ、おまっ、おまたせっ‥‥はぁ、はぁ‥‥」
「うん、大丈夫。だからまずは呼吸を整えようか?」
「はぁ、はぁ、う、うん‥‥ご、ごめん‥‥」
それから数十秒間の深呼吸を経て、ようやく凛は落ち着きを取り戻した。
「ふぅ、ごめんね。それで、は、話って何かな?」
何故だろう?
凛は少しモジモジしているようにも見える。
見れば少し顔も赤い。
「どうした? 風邪気味なのか?」
「ふえ!? う、ううん! ち、違うよ!」
「そ、そうか? それじゃあ、早速で悪いんだけど、凛のこと教えてもらってもいいか?」
「わ、わわ私のことっ!?」
何故だろう?
凛は一層顔を真っ赤にして、何やらパニクってらっしゃるようだ。
「え、えっと、その‥‥う、上から89・52・77──‥‥」
「いやいやそういうことじゃなくてっ! 転生♀ヨ連のこと!」
いきなりの大胆発言に、俺は思わず赤面してツッコむ。
というか改めて見ると、凛って小柄な割には結構、その‥‥出るトコ出てんだな。
‥‥俺は何を考えているんだろう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ