暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
38.闇夜の襲撃者
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その間にも魔力は何かの形成していく。
 禍々しい魔力から出現したのは、美しい女性の肉体を持った眷獣だ。宝石のような綺麗な碧色の瞳。スラリと長い足。しかしその足は蛇の鱗のようなで覆われている。さらに女性の長い髪の全てが無数の蛇。

「顕現しろ、二番目の眷獣、“大蛇の母体(ヘラ・バジリスク)”──!」

 その爆発的な魔力を古城たちは知っている。この感覚は、彩斗が“神意の暁(オリスブラッド)”から授かりし眷獣を出現させた時と同じだ。

「どうだ、驚いたか? 俺が“神意の暁(オリスブラッド)”の眷獣を持っていることによ」

 金髪の少年の瞳が真っ赤に染まり上がる。それがより一層彼の不気味さを際立たせる。

「それじゃあな……第四真祖」

 蛇の母体が金髪の少年の声に応えるように動き出す。ユラユラと揺れ出すとともに身体中から出現した無数の蛇が古城たちめがけて飛来する。

「姫柊、下がれッ!」

 吸血鬼の本能があの眷獣の攻撃を受けてはいけないと古城の身体を動かす。

疾く在れ(きやがれ)、九番目の眷獣、“双角の深緋(アルナスル・ミニウム)”!」

 緋色の双角獣(バイコーン)が咆吼し、飛来してくる無数の蛇を振動の衝撃波が全て叩き落とす。

「いい判断だな。だが、こいつはその程度で防いだと思うなよ」

 金髪の少年が再び、不敵な、いや禍々しい笑みを浮かべる。
 すると蛇の母体は奇声をあげる。そして先ほどとは比べものにならない無数の蛇が古城たちへと襲いかかる。

「先輩!」

「来るな、姫柊! 疾く在れ(きやがれ)、“獅子の黄金(レグルス・アウルム)”!」

 出現した雷光の獅子と、緋色の双角獣(バイコーン)が、襲いかかってくる無数の蛇を全て消し飛ばす。

「ほう? だが、まだ増えるぞ」

 さらに蛇の母体が身体中から無数の蛇を出現させる。それの数見ただけでも数千以上はいるであろう。暗闇を覆い尽くすほどの膨大な群れが古城たちを飲み込むまいと襲ってくる。

「クッソ! ──疾く在れ(きやがれ)、“甲殻の銀霧(ナトラ・シレネウス)”! “龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)”! “水精の白鋼(サダルメリク・アルバス)”!」

 手持ちすべての眷獣を召喚して、無数の蛇たちへと対抗する。雷光の獅子の雷、緋色の双角獣(バイコーン)の衝撃波、双頭の龍が空間を喰い、水妖が時を戻し、霧の甲殻獣が古城と雪菜を霧化させる。

「はぁはぁはぁ……」

「どうやらそれがおまえの限界みたいだな。だが、こっちはまだだ」

 金髪の少年が再び、右手を前へと突き出した。魔力が凝縮されていき、それが形を形成していく。
 新たな眷獣の召喚だ。漆黒の身体に燃え
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