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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
38.闇夜の襲撃者
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「なるほど……あなたが“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の監視役ですか」
「ええ、そうだけど。あなたは何者なの?」
友妃は背中に背負っていた黒色のギターケースに手をかける。その中身は“夢幻龍”だ。
「私は立神さんの味方です」
「立神……?」
どこか聞き覚えのある名に彩斗は顔をしかめる。しかし都合良く思い出すことができない。
「流石に剣帝と“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の二人を相手にするのは私でも無理なのでここで手を引かせてもらいます」
茶髪の少女はそう言って纏っていた魔力の波動を消し、彩斗たちに背を向け、歩き出す。
友妃はそれを止めようとはしない。それはここで戦っても無駄だということと彩斗がこれ以上のダメージを受ければ眷獣が暴走しかねないのだ。それならば、ここで彼女を逃がした方がこちらとしても都合がいい。
少女は突然立ち止まりこちらに顔を向けずに喋りだした。
「ですが、剣帝さん。あなたは助けに行く方を間違えましたね」
「どういうこと」
「そこにいる“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”を戦闘不能にすることはできても私は殺すことはできない。ですが、立神さんは彼らの簡単に殺せますよ」
少女の口元がわずかに震えているのが暗闇の中に見えた。
その時だった。
「「───ッ!?」」
巨大な魔力の波動が大気へと解き放たれた。身体中の毛が逆立つほどの強大な魔力の塊。それほどの魔力の塊に彩斗は震えが止まらなくなる。
そんなことがあるわけがない。そんなことがあっていいわけがない。まさか、あの時の何かが抜きとられた正体は……
「クッソが!」
彩斗は痛む身体に鞭を入れた強大な魔力の方へと走り出した。
「さ、彩斗君!」
慌てて追ってくる友妃にも気にできないほどだった。
それこそがこの“神意の祭典”の幕開けを知らせる狼煙となった。
彩斗が茶髪の少女と修道院に着いた頃、古城は校門へと急いでいた。
あたりはすっかり暗くなり、校舎から出た時には一瞬校門が見えないほどだった。しかしすぐに吸血鬼の目が暗闇へと対応し、あたりを鮮明に映し出す。
校門の前にはいつものように黒色のギターケースを背負っている少女が立っていた。
「悪いな、姫柊。別に待ってくれなくてもいいのによ」
「いえ、わたしは先輩の監視役ですから当然のことです」
あはは、と苦笑いを浮かべるしかなかった古城だった。獅子王機関から派遣された第四真祖の監視役である姫柊雪菜はこういうところが生真面目だ。それが彼女の魅力でもあり、欠点でもあるともいえる。
「早く帰りましょうか、先輩。凪沙ちゃんはもう家に帰ってると思いますよ」
「そうだな。これ以上遅れると凪
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