第三十二話 風紀委員と風鈴と
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っていく佐天さんを本当にいつも来てるんだろうなぁと思いながら眺める。
「ついでにこんちはー」
佐天さんに続いて俺も入るがちょうど白井さんが電話を終えたところだった。
「佐天さんに神代さん、いらっしゃいですの」
「初春居ます?」
「奥に居ますの」
初春さんの居場所を聞いてすぐに佐天さんが歩き出すが、俺は風鈴を一個取り出して白井さんの前に置いた。
「涼しさのプレゼントです」
「あら、ありがとうですの。あ……もしもし」
白井さんからお礼を言われたところで電話が鳴り出し、すぐに白井さんは話し始めたので俺も初春さんの居る奥へと向かった。
「初春ー、聞いて聞いて、探してた曲がやっと見つかったんだー」
「しー、静かにしてください。あ、神代君も静かにお願いしますね」
「了解」
佐天さんが初春さんに話しかけている時にはついたてがあって見えなかったのだが、初春さんが見える位置まで移動すると初春さんに膝枕されて寝ている少女が見えた。多分鞄の少女だろう。
初春さんは自分で「静かに」と言っていたにもかかわらず、佐天さんのちょっかいにいちいち反応するするので女の子が起きそうになったりもしたのだが、何とかこの女の子の状況を説明し終える。やはり、この女の子が鞄の少女だった。
「他の支部まで巻き込むって、鞄一つに大げさじゃない?」
「学園都市って基本、家族と離れ離れじゃないですか。こういう事には皆、積極的なんですよ」
「ふーん、ジャッジメントって色んなことするんだねー。大変だなぁ」
佐天さんの疑問に初春さんが答える。それを聞いて佐天さんがお守りを取り出しながら呟いていた。
「あ、そうだ。初春さんにこれ、涼しさのプレゼント」
初春さんと佐天さんの話が一段落ついたところで俺の本題を切り出す。
「これ、風鈴ですか。ありがとうございます」
「あと一個残ってるんだけど、この支部にでも吊るしとく?」
「なんで風鈴をこんなに持ってるんですか?」
「この風鈴はどうしたんですの?」
固法さんが居ないようなので最後に残った一個をこの支部にでも吊るしてもらおうかと思ったのだが、初春さんと電話が終わったらしい白井さんから風鈴について尋ねられた。
「自分用に風鈴買おうと思ったんだけど、良い音がする風鈴が欲しかったから色んな種類の風鈴買ってきて、その中から余ったやつ持ってきた」
「それって、この風鈴の音が良くないってことなんじゃ……」
俺の説明が悪かったのか、初春さんがそんなことを聞いてきた。
「あー、流石に音の悪いやつがあったとしてもそんなのは持ってこないよ。良い音がする風鈴の中から自分用のを厳選しただけだから」
「そうな
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