第2話「BGMは空気読んで選曲しろ」
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流れる歌じゃねェっての!」
「何を言っている、兄者。『のろい』は国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」で流れた歌だぞ」
「なぬぅ!……とにかくそんな歌ダメ。別の歌。それ以外ならなんでもいい」
少し考える素振りをして、双葉は口ずさんだ。
「♪大江戸は〜自殺する奴がい「やめろォォォ!!何ちゅうネガティブな歌選曲してんの!!もういいよ。お前といると余計怖ェから。マジどっか行って」
「そうか。兄者、頑張れ。来世でな」
「コラァァァァ!来世ってなんだ?俺このあとどうなるのォ!?嘘嘘嘘ォォォ!双葉ちゃんどっか行かないで!!一人が一番怖いからァ!俺のそばにいてくれー!」
「ぜってーヤダ」
「なんかループしてるゥゥゥ!これってデジャブ?地獄の無限ループだァァァ!!」
こんなやりとりが数回繰り返される。
それで一人で帰れるはずもなく、結局銀時は双葉と一緒に奥に進むしかないのだった。
* * *
あれから何度か帰ることを遠回しに勧めたが、双葉は入る前に見た老婆が気になるらしい。
真夜中の廃病院に妹を一人残して帰ることもできない。というより、怖いから銀時は一人じゃ帰れない。
「コラ!怖くねェつってんだろうが!!」
「兄者、誰と話している?」
「あ、いや電波が……」
「は?」
“プルルルルルル
プルルルルルル”
突然、廃病院に電子音が鳴り響く。ドクンと銀時の心臓が跳ね上がる。
二人は音のする方へ行くと、ある個室の机の上に電話を見つけた。
電子音に合わせて電話のランプが光っている。
「で、電話!?なんで鳴ってんだ?おかしいだろ。ココ廃病院だぞ」
「確かにそうだな。知らないで掛けてきたのかもしれない」
「へ?」
銀時が聞き返す前に、双葉は何の躊躇いもなく受話器を取った。
「取んなァァァ!」
「おい、お主間違っているぞ。ココは十年前から閉鎖されている廃病院だ。助けが欲しいなら119番にかけ直せ」
廃病院の電話と真面目に話している。
相手は誰であれ、それはある意味スゴい姿だ。銀時の口はぽっかりと開いたまま塞がらない。
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「落ち着け。聞いているのか」
「どうした?」
「かなり錯乱しているようだ」
双葉の耳から離れた受話器を銀時は手に取ってみる。
もしかしたら本当に間違い電話かもしれない。いくら無表情無感情な双葉でも、不気味な電話だったら動揺するはずだ。
そう考えながら、銀時は恐る恐る受話器を耳に当てた。
【…助けて…助けて…【苦しいよ痛いよ痛いよ】【キャー【グエッ】…だずげで………オマエモミチズレ】
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
受話器は銀時の絶叫と共に勢いよく投げ捨てられた。強い衝撃を受けた受話器からは、も
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