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101番目の舶ィ語
第一章 月隠のメリーズ・ドール
第一話。8番目のセカイ
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握ろうとした瞬間に再びでっかい声が聞こえた。
ありえないことに、もう一台の、机の上に置かれているDフォンも起動して振動を始めた。
触っていないのに。電源を入れてないのにな。


「「貴方は見事、『百物語』と『不可能を可能にする男』の主人公に決定しました!いやあー、これは大変おめでたい事ですよ!素晴らしい!」」

二台のDフォンは声を揃えてそんな事を言ってきった。
ノリの軽い、まだ若い女の声だった。
どっかで聞いたことのある声ような気もしたが、誰なのかははっきりとはわからない。
解るとすればその明るさとノリが胡散臭いという事くらいだ。

「素晴らしいって……何が素晴らしいんだよ??」

主人公に決定というのもよくわからん。
携帯を拾ってみると、画面には大きく『8番目のセカイへようこそ』と描かれており、『祝!百物語と不可能を可能にする男の主人公!一文字疾風!』とクリスマスツリーやら正月やらの絵文字でデコレーションされていた。
いかにも『胡散臭い』装飾で俺の名前が祝われていた。
まったくもって嬉しくねぇ。なんだこれは?
嫌がらせに感じる。
……というか、サイトに繋いでだけで名前バレしてるとか、どうなってんだ?
あまりのことに混乱していると……。




ピピピピピピピピピピピピッ。

「電話か?」

Dフォンを枕の下に二台とも突っ込んで、さらに布団までかぶせた俺は、普通の携帯電話への着信を見る。そこには『仁藤キリカ』の文字が表示されていた。
俺は彼女からの電話に出て会話を始めた。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

???


「ふむ。おかしいですね……。感づかれましたか……電話に出ませんね」

私は手に持つDフォンで標的である『魔女喰いの魔女』の手下と思われる男に『電話』をかけましたが、全く繋がりません。
どうやら標的はこちらの動きに感づいたようです。
電話さえ繋がればザクザクっと刺して殺すことができますが残念ながら繋がりません。
仕方ありません。なら……。

「近づいてから『殺害』しましょうか……」



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