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101番目の舶ィ語
第一章 月隠のメリーズ・ドール
第一話。8番目のセカイ
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は、性的に興奮すると(・・・・・・・・)、一時的に人が変わったようなスーパーモードになれるんだ。
これだけなら便利そうだが、無論欠点がある。
一つは『何が何でも女を守りたくなる』こと。
もう一つ。これが非常に厄介なのだが……。
『異性に対してキザな言語を取ってしまう』ことだ。

今は元に戻ったものの……七里先輩、すなわち女子の前でヒステリアモードになってしまった事に、俺は激しく落ち込みながら記憶を頼りに帰宅した。

「ただいま……」

家に帰っても気分は落ち込んだままの俺はちょっと控えめな声で挨拶をした。
リビングの方から歩くスリッパの音が聞こえてくる。

「お帰りなさい」

エプロン姿の少女が玄関まで出迎えてくれた。
その顔を見るだけで、思いっきりドキッとしてしまう。
茶色の髪に黒いリボンがトレードマーク。彼女は中学生で俺、一文字疾風の従姉妹にあたる。
名を須藤理亜という。

「か、帰ってたのか」

記憶でわかっているとはいえ、俺からすれば初めてあった赤の他人と同じだ。
どう接していいのかいまいちわからん。

「はい。どうしたんですか?
なんだか疲れているみたいですが……」

「ちょっと部活で頑張り過ぎてな……父さんとかは留守か?」

「叔父さん達は仕事で泊まるようですよ。
昨日言っていたではありませんか」

「そ、そうだったな……」

話す度にボロが出そうだったので俺は自室がある二階へ上がろうとした。

「あ、兄さん。えっと、その……大丈夫ですか?」

上がろうとしたが呼び止められた。

「何がだ?」

「あ、いえ……たいした事ではないのですが、なんというか兄さんの様子がいつもと違うような……いえ、きっと気のせいですね。
呼び止めたりしてすみません」

そう言うと彼女はリビングの方に歩きだした。

(キリカといい妹といい、勘が鋭い奴らが身近に多いなあ)

俺は今は見た目的には一文字疾風なんだが中身は違う。
実は中身は赤の他人だとバレる事はないだろうと思っていたが、これだといつバレてもおかしくないなー。
憑依の事話しても信じてくれないだろうし、どうしたらいいんだ……。


次から次へと起こる問題に頭を悩ませ、俺は二階にある自室へ向かった。




その夜、俺は自室のベッドで寝転がりながら、普通の携帯電話(一文字疾風の私物)でメールを打って時間を潰していた。
打ち終わり、不意に部屋を見回すと、綺麗に片付いた状態になっていた。
記憶によると一緒に住んでいる従姉妹が毎日のように部屋を綺麗に掃除してくれているらしい。今日の夕飯もその従姉妹特製のカレーライスだった。
普通に美味かった。なんか、昔、まだGIIIの仲間だった『かなめ』が作ってく
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