第十一章
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がそれでもふと思い出したのである。この考えについては彼も古臭いうえにそもそも根本から間違っていると思うがそれよりも二人のこのかなり勝手とも思える考えに困っていたのである。
「同じか」
続いてこう思った。
「結局俺は。お母さんの若いのを選んだのかな」
苦笑いにもなった。しかしそれでも何故かそれでもいいと思えるのだった。
「まあいいか」
それが言葉にも出たのだった。
「一緒なら一緒で。それで」
あらためて二人の顔を見る。その顔はやはり。
「やっぱり奇麗で可愛いしな。もうそれでいいか」
何故純に声をかけたのかも彼女が好きなのかもわかった。わかって嫌になったのではなくむしろ余計に純が好きになった。そんな自分に苦笑いを浮かべつつ二人を見ているのだった。目の前で賑やかに話しながら同じ顔で笑い合い同じジェラートを食べる二人を見て。彼も笑うのであった。
面影 完
2008・8・19
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