十五章
出陣×松平衆
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、幕府より正式に説明がいっているようだ。
「一真様ご自身は納得されているのですか?その、まるで物みたいに扱われているような気がして」
「物ね、確かにそう思うときもあるだろうが。もし有力者たちがなりたいと言っても愛妾停まりだから、気にしてはいない。それに俺がここに来た理由も繋がるかもとな」
「一真様は天より舞い降りた方、降臨された意味が繋がると?」
「たとえ意味がなくとも、意味があるのではないかと思う」
「その通りなのです!一真様が我らの下にご降臨なされたのは、この日の本を一つにまとめて、鬼を退治するためなのです!綾那はずーっとそう思ってたですよ」
「そのために一真様は天上より遣わされたと?」
「そです!綾那はそう信じているです!」
まあ、この世界に舞い降りたのは自分自身の意志で来たことだ。それにだな、この世界が破滅する確率は、もう8割近くだからだ。だからかもしれない、有力者と恋人になったら必ず保護するんだと。
「まあ、俺もある使命があってここに来た訳だ。こういうところが魅力に繋がるかもしれないな」
「その通りなのです!」
「綾那、歌夜。一真様のお邪魔をしてはいけませんよ」
「今は平気だ。それに久々に二人と話して嬉しいからな」
「それは重畳です」
ふふっ、と柔らかく微笑みながら、葵は馬を並べる。
「なんかこうして葵と話のも久々な感じがするな」
「そうですね。上洛が決まってからは、慌ただしい日々を過ごしていましたから」
俺はそうだなと言ってしばし無言になる。必要以上なことは、話さないようにしてるけど。話題が思いつかないな。無言のままだった葵だったが、ぽつりと呟いたけど。
「この国はこの先、どのようになっていくでしょうか」
「どうなるかは、俺ではなく久遠や葵で動くんじゃねえのか。神の俺が運命を動かしてはいけないだろうし。ただ、今だけ言えることは鬼の被害を抑えること。越前侵攻がうまくいけばいいかもしれんが、あのザビエルだ。久遠達が考えている以上に、ザビエルの手の上で踊らされてるかもしれないな」
「それは、今の状況がザビエルには把握済みだと。それと一真隊の小荷駄が多いと関係が?」
「まあ、それは一応のことだ」
織田信長と越前のことになるとつい考えてしまうこともある。何も起こらなければそれでよい。最悪の事態を想定として動いた方がいいと判断したからだ。
「そういえば葵は、三河を空けといても大丈夫なのか?」
上洛を開始してから、かなり日は経っている。それほど長く、自分の領地を空けてはいけないことだけど。
「駿府のことや武田がいつ動くかわからんけど」
「はい。ですが心配はしておりません。三河の北と西は織田勢の勢力下。駿府に
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