第7話 魔術師 入学
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『軍人に向いてない』と二年前に言われたクチだ。いろいろあって今も軍人を目指すことに迷いはないが、時折考え込むこともある。あ、これは秘密だぞ。友人にも言うなよ」
「言いませんよ。そんなおっかないこと」
「つまり人生何があるか分からない。自分にあんまりタガをはめるな。自発的に苦労を買って出たわけではないのはよく分かるが、士官学校に入ったのは何かの縁だ。縁のある場所でじっくり考えてみるのも悪くはないんじゃないか?」
俺の説法になっていない説法に、ヤンは首をかしげていたがとりあえず納得したようだった。
「とりあえずは頑張ってみたいとは思います」
「俺で良ければいつでも話しかけてきてくれ。地球時代の歴史には俺も興味があるし、たまには下級生とこうやって腹を割って話すのも悪くない」
「それは戦略戦術シミュレーションの事前偵察として、ですか?」
「違うな。ただ俺はいろいろな人を知りたい。この時代の人間を肌で感じたい。たまたま俺が話した相手が、何故か『偶然』戦略戦術シミュレーションの対戦相手になっただけなんだ。まぁ『偶然』というのは怖いな」
「ええ、『怖い』ですねぇ」
頭を掻きながら苦笑するヤンは、やはり画面の向こうにいた不敗の魔術師そっくりだった。
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