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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 四話 激突宇宙
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ルを踏み込む。
バウンゼィはその推進力を遺憾なく発揮し、惑星ネロの公転軌道後方へと突入。
重力の力を利用して加速したバウンゼィは、宇宙を切り裂いて飛ぶ赤い火矢のようだった。



人工惑星ファズ・マティ メテオストーム周辺

「…本日午後12時頃、ルッキオ政府とアルデスタ政府の間で緊張状態にあったベクサ星系採掘権を巡る紛争に遂に一応の目処がつきました。調停に当たったエルメッツァ中央政府軍政官のルキャナン・フォー氏によりますとルッキオ軍の一部暴動分子を鎮圧しに急行したところ…」

海賊船、デスペラードのブリッジではその主である海賊ドミニコ・ルースが指揮席でだらしなく机の上に投げ出した状態で受信したニュース番組を視聴していた。
海賊だろうがフリーの0Gドッグだろうが情報には万金の価値があるのである。

「ありゃー、紛争、終わっちゃったみたいでゲスね」

「ま、いいんじゃねえの?そういや他の奴らもチラホラアレに参加しに行ってたっけな」

「なんか暴動分子が鎮圧されたって言ってるでゲスね」

「……」

「……」

「ま、いっか」

「そうでゲスね」

割と軽い奴らである。まあ、根城にしていた所が自分達を除いて一人残らず叩き潰されたことに比べれば海賊船の一隻や二隻どうということもないというのが正直なところである。

「そんなことよりも敵が来ねぇ」

「仕方ないでゲス。今更オイラ達スカーバレルに歯向かおうなんて酔狂な奴はいないでゲス」

「奴らで以外はな…」

「そ、そうでゲスね…」

二人の脳裏に浮かんだのはネージリンスで散々に暴れていた大マゼラン製のヤバい二隻の船である。もしもアレがやってきたら全力で逃…後ろに突撃することを二人は決めていた。
しかし、それまではやってくる不届きな0Gドッグの船を不意打ちで宇宙の藻屑にするための待ち伏せを続けなければならないのである。下っ端の辛い所だ。嫌ならば逃げ出せばいいのだが、好い加減スカーバレルという名前に愛着も湧いている。

「それよりもバルフォスの旦那に多弾頭ミサイルのことはばれてないだろうな」

「多分、きっと、メイビーでゲス」

この二人、下っ端のくせに妙に抜け目なく幹部の一人のバルフォスが彼を以前のした小生意気な0Gドッグとの決戦のために持ち込んだ多弾頭ミサイルを一部拝借して搭載しているのである。
性能は高い。カルバライヤ製の実弾兵器は一定の評価を得ているのて信頼性も高い。
この多弾頭ミサイルとバルフォスの乗艦であるカルバライヤの重巡洋艦【バゥズ級】はスカーバレル古参の老海賊ロデリックによってカルバライヤから持ち込まれたものである。
その老海賊ロデリックはエルメッツァの宇宙を気ままに回って輸送船や0Gドッグの船を狙っ
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