第三章 四話 激突宇宙
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出しつつあった。
*
バウンゼィ ブリッジ
さて、ユニコーンが怒涛の勢いでファズ・マティに驀進し、すぐ近くにまで来ていることなどつゆしらずバウンゼィは惑星ネロへと接近しつつあった。
「惑星ネロ、確認しました」
「そのま進もうぜ。ファズ・マティまでは結構あるからな」
「了解」
道中、先程のスカーバレル駆逐艦との遭遇以外で海賊と出会うことは無かったバウンゼィはとてもスムーズに航行している。
出陣前の景気付けの生贄にされなかったあの駆逐艦は幸運であったろう。しかし、ルッキオとアルデスタの紛争で死亡する可能性も無きにしも非ず。0Gドッグは宇宙を征く限り常に命を危険に晒す。その覚悟は、勿論あるだろう。多分。
「……あ、これは…」
ちょうどネロ上空を通過しようとしていた時、レーダー監視していたクルーが驚きの声を上げる。
「どうした?敵か?」
聞くギリアスの声には緊張感がある。
「いえ、これは…ユニコーンです」
「……おい、マジか?」
「マジですよ…あの船どうなってんだぁ!?」
本気で困惑の声を上げるレーダー監視クルー。バウンゼィとユニコーンとの距離は一般的な艦船ならば一日程度はかかる位あいていた。ユニコーンは船足が早いので大体半日で追いつかれるだろうと思っていたが、予想の上を行かれて六時間弱で追い付かれた。ユニコーンの船足を甘く見ていたようである。
光速の二百五倍という異常速度でカッ飛んできたユニコーンはバウンゼィのすぐ横まで猛進したのち、バックブーストを吹かせて減速し並進を始める。
「遅かったじゃないか…」
「いや、あんたが早すぎんだよ。一体どうやったんだ?」
半ば呆れるように通信を入れて来た白野にギリアスは言い返した。
「お望みとあらば見せてやろう。ギリアス、よく見ておくんだな」
そう言って通信を切ると、ユニコーンは再びスイングバイの突入体制に入る。そして、惑星の公転軌道を計算すると凄まじいブーストを吹かせて公転軌道後方へ突入。重力により更に速度を増してバウンゼィから遠ざかる。
「スイングバイ?なるほど、そういうことか!わかったぜ!」
ギリアスも宇宙開発が始まった頃から脈々と続く先人の知恵に思い至ったようである。
「操舵手!ネロの公転軌道後方に突入だ!最大船速でな!」
「了解!惑星公転軌道、計算開始します…………計算完了!バウンゼィ、軌道修正開始!」
バウンゼィはサイドブースターを幾つも起動し、突入角度を調整する。そこにはまだユニコーンほどの有機的な滑らかさは無かったが、少なくとも誤謬はない。
「突入角度、調整完了しました!」
「よし、いけ!」
それと同時に、操舵手は思い切りブースター操作ペダ
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