第六章
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が。
「本当に」
「皆でね」
「だから大丈夫だよ」
「一人一人じゃさ。弱くても」
彼等はこのことは自覚していた。自分達が弱いことをだ。それははっきりと自覚していたのだ。しかしそれでも。今彼等は明るい顔をしていた。
「きっと。皆が集まればね」
「できるよ」
「じゃあ僕も」
その気の弱い少年が遂に頷いた。
「行くよ。やっぱり」
「そうだよ。一人じゃないから」
「皆でね」
「うん」
こうして皆の言葉に頷いて彼も行くことにした。そうしてその次の日。放課後体育館で先生は準備体操をしていた。周りには生徒達が集まっている。
「君達は何があっても大丈夫だからね」
「行くんですね」
「そうだよ」
剣道着すら着てはいない。ジャージの上に防具を着けているだけだ。しかしそれでも先生はやるつもりだった。やはり逃げるつもりはないのである。
「絶対にね」
「わかりました。それじゃあ」
「いいね」
「うん」
「んっ!?」
先生はここで生徒達がそれぞれの顔を見合わせて頷き合うのを見た。
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