暁 〜小説投稿サイト〜
優しさをずっと
第三章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
柔道二段です。俺より腕の立つ人間なんてこの学校にいませんよ」
「問題は腕っぷしの強さではありません」
 先生は怯える生徒達の前に立ち続けていた。平生はこの段によっても彼等を支配させていたのである。所謂権威だ。つまり圧倒的な暴力と権威で生徒を服従させているのである。
「貴方には心がない」
「俺に心がない!?」
「少なくとも武道をする資格も人に教える資格もありません」
 はっきりと言い切ってみせた。
「貴方には。一切ありません」
「言ってくれますなあ、先生」
「何度でも言いましょう」
 やはり毅然として応える。
「貴方にこの子達は任せられません。私が責任を持って教えます」
「そんな理屈が通ると思っているのですか?」
「思っています」
 このことを微塵も疑ってはいなかった。
「何があろうとも」
「こいつ等は俺の部員ですよ」
「違います」
 今の平生の言葉も否定した。
「それは違います」
「違うと」
「この子達は剣道部員です」
 こう言った。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ