第二話 エックスSIDE1
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りませんよ。これから治療の説明をしたいのですが…」
ルイン「あ、うん。分かった」
そういえばイレギュラー処分の報告もしていなかったことを思い出し、立ち上がろうとするルインをビートブードが止める。
ビートブード「報告は俺がします。副隊長は隊長についていて下さい」
ルイン「ありがとうビートブード。」
ビートブードは報告のために医務室を出ていく。
ルインとゼロはライフセーバーを見つめる。
2人はライフセーバーの胸中を見抜いていた。
彼が穏やかなのは、事態が重いことを意味するからだ。
「…確かに外傷以外の異常はありませんでしたよ」
レントゲン写真を傍らのボードに張り付ける。
「腕部の回路、電圧は正常そのものです。しかしバスターに変形しないのです。原因は恐らく精神的な物かと」
ルイン「精神的…ですか?」
ゼロ「お前がそんなことを言うなんてな。」
「他に原因が思い当たらないのだから仕方ないでしょう」
声は何時にも増して冷静で、その静けさが逆にエックス達の不安を扇いだ。
エックス「…それで?いつ治るんだ?」
「分かりません。あなたの心がバスターを封じている。封印を解けるのはあなたしかいないんです。私にはどうすることも出来ません」
エックス「そんな…」
エックスは呆然となり、使えなくなった腕を見つめる。
空気が耐えられない程に重さを増す。
そこに危急の報せが割り込んできた。
エイリア『ルイン、聞こえる?ポイントAX54でイレギュラーが暴れているわ。至急現場に向かって!!』
ルイン「…了解。出撃します。心配しないでエックス。すぐに帰るから」
ルインが出ると同時にエックス、ゼロ、ライフセーバーの3人が残された。
エックス「ルイン…」
ゼロ「あいつなら大丈夫だ。それより腕は?」
エックス「腕は…」
腕に神経を集中させると激痛が走る。
「やはり“心”があなたを苦しめているのですね。あなたはゆっくり休んで下さい」
エックス「…ああ」
逆らいたいがそうせざるを得ないためスリープモードに切り替える。
彼はあっという間に眠りに落ちた。
「さて、せっかく医務室に来てくれたのですからあなたもメンテナンスを受けてもらいましょうか」
ゼロ「何?俺はエックスの見舞いに…」
「あなたはここ最近メンテナンスを受けていませんね。総監に報告しても?」
ゼロ「ぐっ…分かった」
観念したように言うゼロにライフセーバーはエックスを見遣る。
彼は気の遠くなるような痛みをどれだけ耐えて来たのだろうか?
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