ユグドラシル編
第11話 Mission・ユグドラシルに潜入せよ
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も、仮に潜入することができたとしても、簡単に行くとは」
「俺もそう簡単に行くとは思ってない」
紘汰はきっぱりと言い切った。
「けど、どんな困難でもやる価値はあるはずだ。この前の合同イベントを見てそう思ったんだ。舞もお前も、自分のやりたいことをやり遂げたんだ。状況は最悪だったはずだ。でもやれたんだ! 動いたから、少しでも変わったんだ」
「ですね。この前のイベントは、わたしも有意義なものだったと思います。参加しなかったわたしたちに言えた義理ではないかもしれませんが」
光実は俯き、口元に指をやって黙考したようだった。そして顔を上げた。
「分かりました。僕も手伝います。こっちで騒ぎを起こして、奴らの目を引いておきます」
巴は、紘汰と戒斗の1歩後ろの位置から、ユグドラシルのベースキャンプを覗き込んだ。
ちなみにヘルヘイムの森に入る際には、紘汰のサクラハリケーンの後ろに乗せてもらった巴である。
ベースキャンプには、量産型黒影が数人と、白衣の研究者らしき人々がいた。クリスマスゲームで来た時とそう変わらない光景だ。
「やっぱり監視は薄いな」
「戒斗さんのおっしゃる通りでしたね」
「いや。いくらなんでも少なすぎる」
他の何かにかかずらわっていない可能性を除けば、警備の薄さの理由は一つ。待ち伏せだ。
(光実さんから碧沙に、碧沙からユグドラシルに伝わった線もありえなくはない。やっぱりあそこで光実さんに話したのはまずかったかもしれない)
後ろで茂みが揺れる音がした。巴たちは音源の方向をふり返り、身構える。
巴は、見た。機械仕掛けのチューリップが、ロックビークルのように変形する様を。
それはカエルの足に、室外機を取り付けたような、不格好な乗り物だった。操縦者はどれも量産型黒影だ。
巴はドライバーを装着してロックシードを構えた。紘汰と戒斗も同じだ。
「「「変身!」」」
《 ソイヤッ オレンジアームズ 花道・オン・ステージ 》
《 カモン バナナアームズ knight of spear 》
《 ソイヤッ アーモンドアームズ ロード・オブ・白鹿毛 》
鎧武、バロン、白鹿毛に変身した彼らは、チューリップのカエルの群れに突撃した。
チューリップのロックビークルは、惜しみなく弾丸を白鹿毛たちに浴びせてくる。白鹿毛はそれを躱しつつ、攻撃の隙を探した。だがカエル足で変則的に飛び回るチューリップビークルには、付け入る隙がほとんどなかった。
弾幕が次第に白鹿毛たちを窮地に追い込む。
『はっ!』
白鹿毛は鎧武と同時に無双セイバーをチャージし、弾丸を撃ち出したが、チューリップビークルはカエルからチューリップに戻って防御してしまった。
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