ユグドラシル編
第6話 CASE “Yuuya Sumii”
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「巴?」
「わたしにとって、碧沙は碧沙よ。髪はこんなにふわふわだし」
軟質の髪に指を滑り入れる。
「肌はこんなに白いし、声だって奇麗だし」
頬に触れる。
「手はいつだって優しいし、体はこんなに細いし」
両手を下から持ち上げて握る。
「何より、こうして、言葉で通じ合ってるし、同じ倫理で生きてる。おかしなことなんて一つもないじゃない」
「巴――」
碧沙は驚いたように巴を見ていたが、やがて碧沙のほうから巴に抱きついた。
「あなたが友達で、よかった」
「そんなの、わたしだって、いつも思ってるわよ」
碧沙が巴に擦り寄った。
「もう、いいわ。充分よ」
「碧沙?」
碧沙は巴から離れた。
「バケモノの子なのに友達でいてくれる巴がいる。わたしはそれだけで頑張れる。どんな辛い目に遭っても」
「碧、沙? 何を、言ってるの?」
「もうわたしに関わるのはやめて」
世界の足場という足場が、崩壊した心地がした。
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