ビートライダーズ編
第10話 少女の“変身”
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等々。巴はそれらのファイルを拾って読んだ。
(ビートライダーズの人たちにインベスゲームで戦極ドライバーを使わせてアーマードライダーにしたのは、ユグドラシルの作為があったから……だから紘汰さんは『モルモット』なんて言ったのね。ドライバー、は、最初に着けた人間しか受け付けない? ロックシードの力を安全に使うための媒介……)
腰に着けっ放しのドライバーとロックシードを見下ろす。
(これ、どうしたものかしら。とっさに借りてしまったけれど、読む限り危ない物みたいだし。返すべき、よね。元々ユグドラシルのもののようだし)
人の物を黙って持って行ってはいけない。常識だ。――ちなみにこの時、ちょうどタワー上空でインベスを掃討した鎧武がくしゃみしたのだが、もちろん巴は知らない。
巴はドライバーとロックシードを外そうとした。
「巴っ。巴、いるの!?」
顔を上げた。今のは碧沙の声だ。
巴はドライバーから手を離し、急いでテントから脱け出した。
「碧沙っ、ここよ」
「巴!」
碧沙は巴を見るなり顔を輝かせ、駆け寄ってきて巴に飛びついた。
「よかった。巴。大丈夫だった? ケガしてない?」
「へい、き。心配……させて、ごめんなさい」
碧沙は巴から離れ、への字眉で笑った。心配と安心がごちゃごちゃな顔。これではいつもと逆だ。
再び茂みがこすれる音がした。初変身後で気が大きくなっていた巴は、碧沙を背にして構えた。
もし敵対する何かが出たとしたら、関口巴に敵うはずはないのに。
茂みを割って出てきたのは、ビートライダーズの抗争では見た験しのない白いアーマードライダーだった。
彼は巴を見て何かに気づいたような素振りをし、ロックシードを閉じて変身を解いた。
巴が少しだけ知る、碧沙の長兄、呉島貴虎がそこにいた。
「言ったでしょ、兄さん。一緒に来てるって」
「まさか本当だとは思わなくてな。――ちゃんと話すのは初めてか。いつも妹が世話になっている」
「……こちらこそ」
貴虎のことは、休んだ碧沙に学校での配布物を届けに行った時に、ちらりと見ただけだ。
近くで見ると端正な顔立ちをしているのが分かる。ついでに、冗談やおべんちゃらは通用しなさそうだとも分かった。
「――君が助けてくれたのか」
貴虎の目は巴が着けたドライバーとアーモンドのロックシードに注がれている。
「差し出がましい真似をして申し訳ありません」
「いや。部下を助けてくれて、礼を言う」
目上の人に、まるで対等のように感謝された。それに驚いて巴は固まってしまった。
「君も妹と一緒に“森”に迷い込んだと聞いた。送って行こう。クラックを潜ればすぐ外だ」
貴虎が指したのは、空
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