ビートライダーズ編
第7話 聖なる祝日の迷子 @
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ついた。
「碧沙!?」
巴は慌てて碧沙を支え、二人してその場に膝を突く。
「ごめん、なさい……何だかここ、気持ち悪くて……甘い香りでいっぱいで……」
「甘い香り?」
鼻から息を吸い込む。碧沙の言う通り、甘い――芳しい香りがする。その源を、どうしてか巴は必死になって探した。
そして、すぐ近くの、否、そこら中の木に生った赤紫の果実が香りの源だと気づいた。
碧沙を支えてなかったら、すぐにでも手を伸ばして果実をもぎ取り、むしゃぶりつきたいくらいの、食欲をそそる香り。
手を伸ばせない代わりに、碧沙の肩を抱く手に力を込めた。
巴は碧沙を支え、碧沙は巴に支えられ、動かずにいた。
すると周囲の茂みがざわめいた。少女たちは身を固く寄せ合った。
茂みを越えて現れたのは、実体化したインベスの群れだった。
(逃げなきゃ)
自分たちはアーマードライダーではない。インベスと戦う力を持たない。どこまで逃げればいいか、そもそも逃げられるか、分からない。それでも死にたくないなら逃げるしかない。
巴は碧沙と一緒にどうにか立ち上がり、少しずつ後退を始めた。だが、それを図ったようにインベスは凄まじい勢いで彼女らに迫り、爪を振り上げた。
「きゃあ!」
碧沙が悲鳴を上げて尻餅を突いた。勢いで巴と碧沙は離れ離れになる。碧沙の手の甲には、インベスの爪につけられたらしき一条の傷。
巴は適当な果実をもぎ取ると、碧沙を囲むインベスに投げつけた。インベスが果実に興味を示す。
使える。巴はさらに果実をもいだ。
「こっちよ! 来なさい!」
インベスが碧沙ではなく巴に狙いを定めた。巴はそれを認め、果実を持って走り出した。碧沙が悲鳴のように自分を呼んでいたが、停まることはできなかった。
インベスを碧沙からなるべく引き離す。それが関口巴にできるせめてもの抵抗。
インベスを引きつけて走っていく巴を、碧沙は転んだまま呆然と見送るしかできなかった。
「ともえ……巴!」
ようやく事態を受け止め、碧沙は立ち上がり、歩き出した。巴一人にインベスが集中しては、巴の身が危うい。
(わたしが来たいって言ったから。このままじゃわたしのせいで巴が傷つく)
歩みは次第に走りに変わる。気づけば碧沙は、とろいながらも、全力疾走していた。追いついてどうするかなど考えられなかった。
文字通り脇目も振らず走っていたから、脇から飛び出した影と大きな勢いでぶつかった。
『わっ』
「た、ぁ!?」
地面に尻餅を突く。今日何度目か。情けない気持ちにさえなり、碧沙はやつあたり気味にぶつかった影を見上げた。
影は、紫翠のアーマードライダーだ
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