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ロード・オブ・白御前
ビートライダーズ編
第2話 YOU WIN
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だ。

 残るチャックから2体の小インベスが現れ、巴が左手のロックシードを施錠するや、戒斗側の小インベスに襲いかかった。
 まるで段取りが決まった武道の型のように、巴の小インベスは敵を屠った。


《 YOU WIN 》


 勝ち鬨は少女たちの側に上がった。
 駆紋戒斗は、負けたのだ。




「さて、わたしたちが勝ったわけですが。わたしたちは別にステージが欲しくてあなた方に挑んだわけではありません」
「前言撤回しろと――そういうことだろう?」
「はい」
「好きにしろ。お前らがどこで踊ろうが、俺に口を挟む権利はなくなった」

 巴は碧沙と顔を合わせて笑った。なるべくしてなった結果を確かめたがゆえの笑み。嘲笑よりずっと腹立たしい。

「でもわたしたちはステージを持ちません。このステージは……そうですね、あなた方より先にここで踊ってらしたチームにでも返してあげてくださいな」

 チームバロンより先――チーム鎧武。先日潰したばかりの烏合の衆。

「――ダンサーがステージで踊らないというのか」
「まさか。ただ、わたしたちはストリートダンサー」
「踊っているその場所が、わたしたちのステージです」

 巴は、見事な黒髪を翻し、戒斗に背を向けた。もう一人の少女も、小さく笑って会釈し、巴に付いて行ってしまった。

「戒斗……」

 ザックが案じる声も届かない。戒斗は強く強く拳を握り固め、憎むように地面を見下ろしていた。
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