旧校舎のディアボロス
イッセー死す
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にのるんじゃない…いまは、イッセーを助けることが最優先だ!」
「…わかりました。龍介お兄さま」
俺はカミュに言った。
「カミュ!俺たちが回復させる間、守ってくれ!」
「わかっておる!!」
カミュは俺たちの前に立ち、紅蓮の炎をもらしていた。
白音はイッセーの右側に座ると、猫耳と尻尾を生やして手を握る。黒歌はとっくに左側でしていた……気を使った治療だ。自然治癒力を高めるため、気をイッセーに流し込んでいる。
しかし、一向に穴が塞がらない。徐々にだが、塞がってきているものの…。
「くっ、出血が多すぎる!このままだと…ショックを起こすぞ!!」
――その時だった。イッセーが最後の力を振り絞り、声を出す。
「……もういいよ。兄さん、黒歌姉さん、白音ちゃん、花楓ちゃん。これ以上したら、ゲホッ…力使い果たしちゃうよ。……思い出したんだ、十一年前のこと……兄さんだよね?あのとき、記憶を消したのは、兄さんの善意だったんだね。その力を使って…ゲホッゲホッ」
「もうしゃべるな!」
俺はイッセーを黙らせようと、怒鳴った。だが、イッセーは話を続けた。
「……ううん、言わせてほしい……ありがとう、兄さん。一緒にいられた時間は少なかったけど……楽しかったよ。……白音ちゃん、ごめんね。白音ちゃんの気持ちわかっていて………その、気づいてないふりしていてごめん」
「……気にしないでください。もう怒ったりしてませんから」
「……優しい白音ちゃんでよかったよ。……黒歌姉さん…ゲホッ……いつも弁当作ってくれてありがとう。……食事は、ほとんど黒歌姉さんに任せてた……」
「いいのよ、イッセー。また作ってあげるから」
「……そうだな…兄さんのと比べて食べてみたいな。……花楓ちゃん、短い間だったけど、すごく楽しかった。前世の話、もっと聞きたかったなぁ」
「……はい。家に帰ったら、皆に話しましょう。お兄ちゃんの赤裸々な過去など」
「……興味深そう、兄さんの過去。……カミュ…父さんと母さんが亡くなってから、ずっとそばにいてくれてありがとう」
「ううん、私こそ…心の穴を埋めてくれたのはイッセーよ。…ありがとう」
「…初めて『ありがとう』って、カミュから言われたな……ゲホッ…あと、ここにいない龍巳によろしく…ゲホッゲホッ……頼みます、兄さん。十二年間楽しかったって……夕麻ちゃん…デート楽しかったよ。また行きたいよ……それとゴメンね。…ゲホッ……あのデートコース、黒歌姉さんに考えてもらったやつなんだ…」
「…何となくだけど、そんな感じだったわ。でも、とても楽しかった。ありがとう」
「……よかった。これ言ったら、すごく…怒られるかと思った。…ゲホッゲホッ……」
イッセーが先ほど駆け
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