旧校舎のディアボロス
イッセー死す
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一瞬の砂ぼこりのあと、俺は地面から脱出して二人の目の前に立っている。
「「――っ!!!」」
二人は信じられない光景を目の前にして、声が出なかったようだ。
――と、その時!!
「「……くっ!!」」
ブォッ――ドオォォォォン!!!!
とっさに俺はイッセーを、黒歌はレイナーレを抱きかかえる形で飛び退いた。
目の前のベンチは跡形もなく吹き飛んで、代わりにクレーターができていた。
「……大丈夫か?イッセー」
「……痛っ…大丈夫だよ、兄さん。……夕麻ちゃんは!?」
「こっちも無事よっ!あんたの彼女も一緒にいるわ!!気絶してるけど…」
…どうやら、全員無事なようだ。
クレーターのほうを再度見る。そこには…光の槍が食い込んでいた。
飛んできた方向を見ると、そこには長身の男…黒い翼を生やした堕天使が宙に浮いていた。
「ほぅ、いまのを避けるとは……ただの人間ではないな?」
男は腕を組んで、こっちを見ている。
「おまえは誰にゃ!!」
「おっと失礼。まだ名乗っておりませんでしたね…私はドーナシーク。そこにいる脅威になる少年を殺しにきましたが……感化され、役立たずの堕天使も始末しようかとね」
こいつ……仲間の命まで奪うつもりかっ!
「……上からの命令でしてね。『役に立たなくなれば殺せ』と、申し付けられておりまして」
…何だと!確かドーナシークの上司は…ここにいるレイナーレじゃなかったのか!?
「おまえの上司は誰なんだっ!?」
「これはこれは。一介の人間に答えるつもりはありませんが…先ほど、私の攻撃を避けることができたので…冥土の土産で教えましょう。………名は、コカビエル!」
コ、コカビエルだとっ!!
「それに、先ほどの攻撃は一割も出していません。……これが私の真の姿です」
バサササッ!!
一対二枚の黒い翼が…四対八枚に増えた!?
「……うっ…その翼の数…上級堕天使じゃないの!」
目を覚ましたレイナーレが、目を見開いて驚く。
「はい、確かに私は上級堕天使です。あなたの下につく際、少しばかり騙させてもらいました」
「――っ!!」
言葉も出ないレイナーレ。中級の彼女でも見破れなかったことは、あいつはかなりのやり手になるようだな。
「ん?どうやら、増援が来たみたいですね。こちらと、そちらの……」
…どういうことだ?結界は張ってあったはず――。
「どうもこの娘、人払いしか張ってなかったようね」
目の前にいる黒歌が教えてくれる。
「……ということは、白音たちも来るのか?」
「そうね。カミュと白音、花楓の気を感じるわ…龍巳は来ないみたいだけど」
気を操る猫又の黒歌。素の
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