SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第9話?予想外の事態
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にかなり近づいていた。目測だが、多分玉座との距離は二十メートル切っているだろう。
?その距離がまるでスタートの合図だったかのように、玉座に座っていた《イルファング》が活動を開始した。
?イルファングはいきなり高く上に飛んだかと思うと、A隊のいたすぐ近くに空中で一回転しながら着地。ボス自ら距離を詰めてきた。
?オオカミを連想させる顔がはっきりと見え、イルファングはその口をいっぱいに開き、吼えた。
「グルルラアアアアッ!!」
?あまりの大きな咆哮に空間が震えているのか自分が震えているのか判らなかった。
?その咆哮が終わった瞬間、手下の《ルインコボルド・センチネル》がこの部屋の左右の壁に空いている数ヵ所の穴から三匹現れる。
「……ここまではβテストと同じだな」
?コウが僕の隣で独り言ぐらいの声量で呟く。僕は話しかけるかどうか迷ったが、まだ《センチネル》も近くにはいないので周りを警戒しながら話しかけることにした。
「……ってことは、あの攻略本を参考にしてたてられた作戦で問題ないよね?」
「……どうだろうな。まだわからないが、今のところそれで大丈夫だろ」
「そうか、ならよかった」
「あくまで今のところだ。どこかしら変わっている可能性もある。油断はできないぞ」
「わかった」
?なんて話していると、センチネルの一匹がキバオウ率いるE隊をすり抜け、僕たちに向かって突撃してきた。
?もう一匹もE隊からすり抜けていくのが見えたが、おそらく、そっちのセンチネルの狙いは最後尾にいた二人だろう。
?僕とコウは自分達に向かってくるセンチネルをただただ見ていた。ちなみにカイとカグヤも近くにいるが、さすがに一匹相手に四人も必要ないので少し後ろで待機してもらっている。
「来たよ」
「……スイッチは任せた」
「任しとけ!」
?僕の言葉を聞き終えるや否やコウは背中に吊るしてある片手剣――アニールブレードを勢いよく鞘から抜きながら、センチネルに向かって疾走する。僕も左手にある曲刀をしっかりと握り締め、コウのあとに続く。
「………………ッ!」
?コウとセンチネルとの距離がほぼ無くなった瞬間、コウが気迫と共に単発斜め斬りソードスキル《スラント》を放った。
?スラントはセンチネルの持っている武器である長斧に命中し、センチネルの手から武器が離れる。
「スイッチ」
「りょーかい!」
?掛け声と共にすぐさま僕はコウと場所を交代し、がら空きになったセンチネルの唯一の弱点である首元に向かって曲刀ソードスキル《ツインカッター》を発動させた。狙い通り首元に二連撃がヒットし、クリティカルヒット特有の強烈な色彩と衝撃音が僕の目と耳に届く。
?クリティカルになったお陰でツイン
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