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転生赤龍帝のマフィアな生活
十三話:狂った神父と聖女
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すが拙者には何のことか分かりません。

「あ、あのイッセーさん。」
「あ?」
「その…私には難しいことは分からないんですが…やっぱり人を傷つけるのはいけないと思います。」
「てめえも俺に指図する気か?」
「違います!!これは…その……友達としてのお願いです。イッセーさん、今回だけでいいので戦うのはやめてください!!!」
「…………………」

じっくりとアーシア殿を見つめ熟考する一誠殿、その様子を見てクローム殿が頬を膨らましているのは何故なのかは拙者には分かりませんけど。

「……今回だけだ。」
「っ!!ありがとうございます!!!」
「ちっ……。」

あの一誠殿を説得するなんて……やはりアーシア殿は只者ではないようです。

「それでどうする気なの?私達の魔法陣は眷属にしか使えないわよ。」
「カラス共の目を眩ます、クローム。」
「…………………」
「クローム?何をすねてんだ?」
「お兄ちゃんのバカ…。」
「くっ!?……良く分からねえが俺が悪かった…機嫌直せ。」

クローム殿の頭を優しく撫でる一誠殿、クローム殿は頬を赤らめて気持ちよさそうに目を細めています。こういう時に日本ではご馳走様と言うんでしたっけ?

「………危ないわね。」
「ええ、道を踏み外さないか心配ですね。」
「お兄ちゃん…もういいよ……がんばる。」
「任せたぞ。」

何やら藍色の箱らしきものを取り出すクローム殿、あれは一体?

「ムクロウ…お願い。」
霧フクロウ(グーフォ・ディ・ネッビア)開匣!!』
「フクロウ?」
「ムクロウ…この家に誰も入れないように幻術をかけて。」

ムクロウと言われたフクロウが羽を広げると同時に霧に家が囲まれていきます。
これが幻術……。

「これでしばらくは誰もこの家に入れないと思う…。」
「よくやった、クローム。」
「うん…/////」
「えっと…どうなってるのかしら?」
「カラス共を騙すための時間稼ぎだ。ここにアーシアがいると思っているカラス共はクロームの幻術がかかっている限りはここで足止めだ。その間に俺とクロームがアーシアを安全な場所に移動させる。」

「移動中に見つからないかしら?」
「ムクロウが残ってクロームが俺らと行くから問題はねえ。」
「頑張って…ムクロウ。」
「付いて来い、クローム、アーシア。」
「うん…。」
「は、はい。」

そのまま霧の中に消えて行く三人。御武運をお祈りします。

「私達も戻るわよ……それにしても、この子は何なのかしら?使い魔みたいだけどそうじゃないし神器(セイクリッドギア)でもないみたいだし……。」
「ホー。」
「部長、今は帰るのが先ですよ。」
「そうね。」

そうして拙者達はこの家を後にした。




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