羨望 -エンヴィ-part1/ウエストウッド村にて
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「構わないわ。別に話しても、大丈夫だから」
「…」
テファは、どうしてこの森にエルフである自分が済んでいるのか、そして子供たちを育てているのか、その理由を語った。自分の父はアルビオン国王の弟であるモード大公、母はそんな父に妾として国王に内密で保護されたエルフの女性だったこと、母エルフであるため母と共に屋敷で隠遁生活を送っていた。しかし、そのことがついに国王にバレたことで父は殺され、母もテファをかばって亡くなってしまったこと、その騒ぎからマチルダの手を借りて生き延び、こうして戦争や人売りによって孤児となった子供たちを引き取ってウエストウッド村に隠れ住んでいること…マチルダも当時のサウスゴータの太守の娘だった関係で彼女を幼い頃から見守ってきた関係で、彼女や子供たちに資金援助を賄っている…と言ったところまで説明された。しかし、なぜエルフである母がアルビオンへやってきていたのかはテファもマチルダも知らないままだった。
「ハーフエルフ…そんなのが本当にいたなんて…」
驚きながら、ルイズはそう呟いた。可能性での範囲では、小耳にはさんだことはあったようだ。
「…ごめんなさいね。ティファニア。なんか、嫌なこと思い出させてしまったわ」
「いえ、いいんです。お心遣い、ありがとうございます」
自分たちの方が聞いてはならないことを聞いてきたのに、それを明かすどころか礼を言ってくるなんて…キュルケはここまで心穏やかなというか、さっきのフーケがトレジャーハントを仕事としている嘘を信じたときと言い、ありえないほど純粋な人がいるだなんて思いもしなかった。
「なんだか、こうして外の世界の人たちと話せるって、うれしいです。それに、私がエルフと知っても、怖がらないでいてくれて…私、この村から出たことないから同じ年代の人とほとんど話したことがないの。だから、外の世界と友達に憧れてたんです」
嬉しそうにティファニアは、はにかんだ笑みを浮かべた。サイトは、テファの周囲を見る。姉代わりの盗賊と、まだ幼い子供たち。あくまで彼らは家族で決して親しくはない存在ではないのだが、確かに友人関係とは思えない。さっきのルイズの態度のように、ハルケギニアの人間がエルフを嫌っている以上、彼女には友人が出来辛いのだろうと思った。
…いや、ここには一人いたはずだ。彼女とほぼ同年代の男が。
「あのさ、ティファニア」
「あ、よければテファでいいわ。何?サイトさん」
サイトから名前を呼ばれ、テファはなんだろうと質問を受け付ける。
「俺の事もサイトで構わないよ。えっと…俺が寝かされていたあの部屋って……」
そう、自分がテファから傷を治療してもらうために眠っていたあの部屋のことと、その持ち主のことを。サイトはシュウのことを知りたがっていた。
「そう言えば、ダーリンが寝かされた部屋には変な服とか道具
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