羨望 -エンヴィ-part1/ウエストウッド村にて
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私や子供たちにも絶対に話してくれなくって…」
テファはサイトに、身を乗り出して尋ねてきた。
フーケ、実は根は家族思いの優しい人なのか…。サイトはテファと子供たちを見てそれを悟った。恐らくフーケは彼女たちを悲しませたり心配させないために、自分が盗賊であることをずっと隠し続けてきたのだ。もしかしたら、シュウの正体が自分と同様にウルトラマンであることも隠しているかもしれない。ここはフーケの気持ちも汲んで。誤魔化してみることにした。
「えっと……宝探し。その時で宝の取り合いになっちゃって…それでね」
宝の取り合いについては間違っていないが…我ながら苦しい嘘だった。
「トレジャーハンターね、かっこいい!」
なんと、当のテファはあっさりと信じ込んだ。キュルケはおかしくなってぷっと吹き出してしまう。
「だからさっき…だめよ、仲直りしなきゃ」
ホッとして、テファはそう言った。一方でルイズは納得していなかった。未だに何かを言いたげに唸り声をあげている。目の前に貴族に屈辱を味あわせた悪名高い盗賊がいるのだ。
話を切り替えよう、何かの拍子でフーケは盗賊だってことがバレてしまったら、ティファニアたちを悲しませてしまう。
「そういえば、俺たちはどうして村に倒れてたんだ?」
そうだ。この話はルイズたちだって気になっているはず。サイトの予想では、もしかしたらシュウがあの状況で助けに来てくれたのでは…って、待てよ。そのシュウは一体どこに行ってしまったのだ。さっきフーケは、シュウを探しに行っていたようなことを言っていたが、もしや外出中だったのか?
「そうね…思ってみれば、あたしたちワルドに追い詰められていたわね。下手をしたらあと一歩のところで殺されそうになっていたわ」
「でも、あの状況では逃げられるとは思えない」
仲間たちも、ニューカッスルの教会で裏切者としての本性を露わにしたワルドに殺されかけたあの時のことを思い出した。
ワルドのスクウェアクラスの魔法『ライトニングクラウド』で止めを刺されかけた。反撃に出ようにもすぐに走って逃げようにも、奴には王党派から強奪したあの謎の飛行機械『ジャンバード』が味方に付いていた。ワルドはその気になれば一人ずつ自分たちを殺せたし、魔法詠唱なしであの破壊力を秘めたビームを撃ってくるような兵器を相手に逃げられる可能性は限りなく0だった。正直、重苦しい状況だった時の事だったため、キュルケとタバサも優れた表情を浮かべられなかった。
「何を言うんだい?そこにいるティファニアが何かしらの魔法で僕らをここへ連れてきたのではないのかい?」
「え?私!?」
急にギーシュから名前を挙げられ、テファは目を丸くした。
「そうとしか思えない!!ああ、ティファニア!君は僕らの命の恩人…いや!まさに僕らを見捨てることのできなかった始祖ブリミルが遣わさ
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