羨望 -エンヴィ-part1/ウエストウッド村にて
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なバカな展開が起こるとは、ティファニアの胸が相当衝撃的だったということだろうか。
「君の言うことも理解できなくもない。確かに彼女はエルフだが、だからといって僕らを助けた恩人に手を出していいと言われると、褒められたことじゃないかな」
ギーシュもルイズの行動が褒められたことではないと、胸を張りながら言った。…が、その魂胆は明らかに、テファにかっこいいところを見せ付け気を引こうとしているのが見え見えだった。変なところばかりブレない男である。
「相棒たちの煩悩はともかくとして娘っ子、ここは落ち着けよ。相棒の言ってた通り俺っちたちはあの子たち助けられた身なんだ。俺は貴族じゃないけどさ 、エルフだからって、その恩人に杖を向けるのが貴族のやることじゃないって。きっとあの皇太子だって同じこと言ってたぜ」
机の上に置かれたデルフも、鞘から顔を出してルイズに一言注意を促した。何よ…とルイズは不満を漏らす。貴族…それもヴァリエール公爵家の私が平民の子供なんかに洗濯板呼ばわりされておいて黙っていろなど…!と言ったところでまた大人げないだのとさんざん言われるのは間違いない。
「…いいわよ!どうせ私が悪者なんでしょ!好きなだけいちゃついてればいいじゃない!」
自分の行動によって仲間たちから一方的な非難を買ってしまい、自分に味方がいないことを悟り、いじけたルイズは踵を返して、貴族の令嬢らしくなくどしどしと足音を立てながら外に出ようと扉に手をかける。
「お、おいルイズ!!」
サイトが引き留めようとするがルイズは足を止めない。が、ルイズがドアノブに手を触れようとしたところで、扉が開かれた。扉から姿を見せたのは…。
「ふう…ごめんよ。シュウの奴、どうも遠くに出かけてるみたいで見つからなかったよ」
「マチルダ姉ちゃんだ!!」
子供たちが玄関の扉から現れたその人物を見る中、その姿を見た途端、サイトたちは声をそろえた。
「「「「フーケ!!!?」」」」
なぜあの悪名高い土くれのフーケがここに!?とっさにサイトはデルフを手に取り、ルイズたちメイジ陣も杖を構えてしまう。
「あ、あんたら…なんでここに!?」
フーケは、いつの間にか村から姿を消していたシュウを探しにちょうど外に出払っていたところだった。彼の正体を知るフーケ…もといマチルダは彼が姿を消した理由はわかっていたが、テファは彼がウルトラマンの力を手にしていることをまだ知らない。とりあえず彼女にひと時の安心を与えるために、一応近くにいないかを確かめに言ったのだが、運が悪いのか、以前自分が破壊の杖を狙ったために対立したサイトたち四人と、拠点としていたこの村で遭遇することになってしまった。ちなみにギーシュは頭数に揃われていない。
「ま、待って!!止めて皆!!」
空気が張りつめていく中、テファがルイズとマチルダの間に飛び込ん
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