羨望 -エンヴィ-part1/ウエストウッド村にて
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ルフは偉大なる始祖ブリミルの仇敵なのよ!始祖に代わって引導を渡さなくてはならないわ!」
すでに知っての通りエルフとハルケギニアの人間は、ハルケギニア人が神を崇める始祖ブリミルとエルフが、かつて対立関係にあった関係で、敵同士だと断定されていたのである。ルイズがこの反応を示すのも当然と言えば当然だが…だからといって、何の罪も犯していないテファが攻撃されていい理由などありはしない。そもそも、ルイズのようなブリミル教信者が考えているほどエルフが恐ろしいだけの存在なのか、その確証さえ得てもいないのだ。
「痛!?」
それを体現するかのごとく、ついにウエストウッド村の子供たちが立ち上がった。ルイズに向けて適当に小石を投げつけてきたのだ。杖を下ろし、石を当てられた後頭部を押さえながら前を見ると、テファの前にずらりと村の子供たちが並び、適当にフライパンやらお玉やらを持ってルイズに敵意を向けていた。
「おい洗濯板!テファ姉ちゃんをいじめるな!」
「そうよ!この骨と皮女!テファお姉ちゃんをいじめるなら、私たちが相手になってやる!」
「あ…!!」
『洗濯板』。『骨と皮女』。サムやサマンサの口から、ルイズにとってのタブーワードが放たれたことで、サイトは一気に青ざめた。ただでさえ自分の小さくて細い体系にコンプレックスを抱くルイズ。対するテファは女性として魅力的すぎる要素を持ち合わせていたものだからより一層ボルテージが昂ってしまう。
「だだだ…誰が洗濯板に骨と皮ですって…へえ、サイトのこともあるし、最近の平民はずいぶんとまあ礼儀知らずなことね…!?」
先ほど以上に暴走しそうになっているルイズ。顔には青筋が立ち、ひきつった恐ろしい笑みを浮かべている。これ以上はさすがにまずい。
「ルイズ、いいから頭冷やそうぜ!彼女は俺たちを助けてくれたんだぞ!な!?」
「何よ!サイト、あんた、あのエルフを…い、いいいいいやらしい目で見ているんじゃなくって!?」
「ち、違うって!なんでそうなるんだよ!」
違うとは言うが、サイトやギーシュの性格+年頃の思春期少年の本能のせいで、ルイズの言ういやらしい目でテファを見てしまったことは絶対に誤魔化せない。まさに無駄無駄無駄ァ!である。しかし、ここに来て助け舟が入る。ルイズの頭上から氷の小さな塊がこつんと落ちてきた。
「あう!?」
「ここは人の家」
氷の塊は、タバサの魔法によるものだった。静かな環境を好むタバサとしてはいい加減にしてほしいと言わんばかりに、その表情はいつものポーカーフェイスと比べて大きな変化はないが、不機嫌そうに目を吊り上げている。
「平民の子供相手に大人げないわよ、ヴァリエール。まったく、狭量が過ぎるわね」
キュルケもやれやれと呆れ顔になっている。ニューカッスルであの悲劇的な出来事が起こったというのに、その直後にこん
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