羨望 -エンヴィ-part1/ウエストウッド村にて
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とかがあったわね。あれ、あなたかフー
…ミス・マチルダのものなの?」
仲間たちも、それについては内心では気になっていた。あのタバサも、本を読む一方でチラと横目で見ながら話を聞こうとしている。キュルケがそう聞いてみると、テファは首を横に振った。
「ううん。あれは、ここにはいないもう一人の人の持ち物なの」
「あれはね、シュウ兄のなんだよ」
すると、サマンサが話に加わってきた。
「シュウ?それは誰なんだい?」
「シュウ…どこかで聞いたわね」
シュウの名を聞いて、ギーシュとルイズははて?と首を傾げた。
「お前ら…もうラグドリアン湖で起こったことを忘れたのか?」
二人の記憶力を疑わされるコメントに、サイトは呆れ混じりで二人をジトッと横目で見た。
「わ、忘れてたわけじゃないわよ!ただ…その…」
思い出すのが恥ずかしいことばかりだったあの惚れ薬事件の時。サイトに対してあまりにも自分らしくない…と言う言葉では収まりきれないくらい恥ずかしいことをしたルイズは決して思い出さないでおこうと記憶の底に封印しようとしていたためか、それに伴ってシュウのことも記憶から封じようとしていたようだ。もしかしたらシュウがウルトラマンであることさえも忘れようとしていたのかもしれない。
「あ、ああ…彼か、あの時の。それもウルt…もがもが!?」
ギーシュもシュウのことを思い出したようだが、あと一歩のところで余計なことまで言おうとしたのでとっさにサイトはギーシュの口を閉ざした。
(馬鹿、下手に口を割ろうとするな!)
「ま、まべ(な、何故)!?」
いきなりサイトから口を塞がれ、耳元で喋るなとささやかれたギーシュは理由がわからず混乱した。すると、マチルダがサイトの耳元に口を寄せて小声で話しかけてきた。
(すまないね。ナイスフォローだったよ)
(やっぱり、テファはシュウがウルトラマンであることを知らないんだな。でも、その言い方だと、やっぱりあんたは知ってたんだな?)
(まあね。あたしが盗賊やってるのと同じように、あいつのこともテファに心配かけたくないからね)
思った通りの理由だった。やはりフーケとシュウが自分たちの秘密をテファに隠しているのは、それを知ったことで彼女や子供たちが心配するのを考慮してのことだったようだ。
「シュウ…ねえ」
一体どんな人物なのだろうか。キュルケは非情にその人物に興味を持った。
「もしかして、その人…あなたの恋人かしら?」
「へ!!?」
突拍子もなくそう言われ、テファは耳まで顔を真っ赤にした。それに同調するかのようにエマがテファのリアクションを無視して肯定のセリフを言う。
「そうだよ。シュウ兄はね、テファお姉ちゃんの旦那さんなんだよ」
「ぼ、僕はまだ認めたわけじゃないからな!」
しかし、サムはまだシュウのことを認めたわけではな
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