過去‐パスト‐part1/少年の悪夢
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しながらゼロは言った。
「いいから力を貸してくれよ!このままじゃルイズは!!」
「ざけんじゃねえよ!俺たちウルトラマンはてめえらのおもちゃじゃねえ!都合がいい時だけ力を貸せだなんて、生意気なんだよ!」
目の前のもう一人の自分は、言い返そうにも何も言い返すことができずに絶句した。
「大体よ、お前みたいに愚図でのろまで鈍くて、おまけにガンダールヴや俺が一体化してなきゃ何にもできない役立たずの癖に、俺を無能扱いだなんておかしくね?
ばっかじゃねえの?人のことどうこう言う前に、てめえが有能になってみろってんだよ!よく言うだろ?『他人の力を頼りにしないこと!』ってよ」
「………!!」
「てめえみたいな役立たずは、跡形もなく消されちまった方がいいのさ!」
見捨てるかのように、ゼロはサイトたちの前から姿を消した。同時に目の前のもう一人の自分も消え去り、サイトはその場に膝を着いていた。
すると、今度はサイトの周りを取り囲むようにハルナ・ギーシュ・キュルケ・タバサ…そしてルイズが立っていた。ルイズの表情には、善の心の欠片を見受けられない邪悪な笑みや、完全に汚らわしいものを見下ろすような表情が現れていた。
「結局平賀君には誰も救えないんだよね」
「こんな情けない男に負けていたとは」
「サイトはまた何もできないまま失っちゃうのよね。いえ…『何もしない』ままね」
「あんたこそが、本当に『ゼロ』ね」
ルイズは最初に会った日からあまり穏やかな言葉を投げつけては来なかった。けど、ここまで心の底からひとのことを見下したような言い方はしてこなかったはずだ。少なくとも今のルイズは最初に会った時と比べて大分まともに見えるし、フーケとの戦いの後は寧ろ可愛らしい女の子だとも思えるようになった。なのに…。
すると、サイトの肩をガシッと掴む者がいた。あまりにも力強く突然に握ってきてサイトは身を震えさせる。恐る恐る振り返ると、そこには身の毛もよだつ光景が広がっていた。
「君が…あの時変身していれば…僕も彼らも…死なずに済んだんだ…」
「我らの未来を返せ…」
「返せ…かえせ…カエセ…!!」
肉体が崩れ落ち、眼球が飛び出し、中には白骨化した人間たち…それは、サイトがあの時助けられたかもしれない、ウェールズを含めた王党派の勇士たちだった。なんとも悍ましく変わり果てた姿なのだろうか。だが、もしあの時サイトが拘らずにゼロに変身していたら、一人でも多く救えたのかもしれない。しかし…。
「だったら俺の力を借りようと?しつけえな。都合のいい時だけ手のひらを返すような下種に力貸してやるほど暇じゃねえんだよ」
―――だったら…俺にどうしろって言うんだ…!
これまでのゼロの行動は、あれもこれも正直褒められたことなんて一つもなかった。だからゼロの力を借りようにもそれがで
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